「本当にやるべきことをやれた」the quiet roomが手繰り寄せた12個の運命──最新AL『不時着する運命たち』をメンバー全員で語る!

「本当にやるべきことをやれた」the quiet roomが手繰り寄せた12個の運命──最新AL『不時着する運命たち』をメンバー全員で語る!
ポップでロック、ロックでポップ、バンドサウンドを研ぎ澄ましたストレートな音像の底には徹底的に聴き心地を重視した工夫や心象風景を澄み渡らせるための細やかな仕掛けがところかしこに施されている。

先日リリースされた最新アルバム『不時着する運命たち』でthe quiet roomが描くのは、失恋、失敗、後悔、戸惑い、不安、不満……過去が、過程が作り上げたありとあらゆるネガティブな感情をグッと抱き寄せ、優しいまなざしで私たちの今を見つめ、そして未来に目を向けさせる指標となりうる音楽だ。──全編を通して、捉え方次第で絶望にも希望にもなる「時間」が克明に刻まれている。


「この時代に渦巻く閉塞感を撃ち破る渾身のソリッド・ロックチューン」という公式コメント通り、先行リリースされていた“Ghost Song”で歌うのは、息苦しさや閉塞感を抱えて日々を生き抜こうとする現代人の心の淀みをそっとすくい上げたような痛みにも似た感情だ。
MVでも描かれているが、日々を幽霊のように言いたいことも言えず、心の声を殺して生きる人々に希望を与える歌。それらをアップビートでキャッチーなメロディに乗せることこそが彼らの今の命題なのだろう。

一見儚くて消えてしまいそうな恋の終わりを、緻密なロックアンサンブルと鼓動を高鳴らせるビートでポップにしたためた”Twinkle Star Girl”もまた、歯を食いしばりながら握っていたはずの拳がいつの間にか小さな希望を掴んで高らかに掲げられるような優しさに満ちている。

「本当にやるべきことをやれた」と今回のインタビューで菊池遼(Vo・G)は語ってくれたが、the quiet roomはいつだって時代を正しく見つめ、自分自身と、バンドと、運命と向き合ってきた。だからこそ彼らの音楽は今を生きる人々の心に寄り添うことができるのだ。
そんな彼らの現在地に迫ったインタビューは、発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号に掲載中。ぜひチェックしてください。

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