プッシー・ライオットのマリア、釈放後の第一声を語る

プッシー・ライオットのマリア、釈放後の第一声を語る

先週恩赦令による釈放が発表されていたプッシー・ライオットのナジェージダ(ナージャ)・トロコンニコワとマリア(マーシャ)・アリョーヒナのうち、マーシャが12月23日に釈放されたことが確認された。

マーシャは釈放されるとただちに国連の拷問反対委員会の人権活動家らと接触し、ロシアの刑務所改革について話し合うなど活動を再開したというが、『ローリング・ストーン』誌に今回の釈放や今後の活動について語ったという。自由の身になった心境はという問いには次のように答えている。
「というか、私はずっと自由の身だったわけで、それは自分が自由だと感じていたから。内面で自由を感じることがとても大切なことなの。人にはそれを選ぶ権利がある。その事実を自覚していれば救われるものなの」

さらに今回の釈放の真意については次のように説明している。
「これは単純にソチ対策でしょう。オリンピックの前にロシアをもっと魅力的な国に見せたがってるわけね。それで今回の恩赦ということになったわけだけど。でも、恩赦は一般に適用されたものじゃないから、嘘もいいところなのよ。私がいた収容施設から釈放されたのは私だけで、そこが問題なわけ。他の誰も釈放されてないんだから。公式には一般恩赦ということになってるけど、それは嘘なの」

またマーシャは恩赦を拒否したがっていたことも次のように明かしている。
「(拒否)したかったけど、残念なことに私の力ではそれはかなわなかったのね。もしできるものなら、私はなんとしてでもこの恩赦を拒否したかった。私には恩赦など必要ないから。私は罪を犯していないし、犯罪者でもないんだから、そんな施しを受ける筋合いもないの」

その一方でプッシー・ライオットの今後については、齟齬があるとよくないので今はなんとも言えないとマーシャは語っていて、まずメンバーで落ち合ってナージャと話し合うことが先決だと説明している。その上でこれからのなんかしらの効果を持つ活動を模索していくことになるはずだとマーシャは語っていて、アートとしてやっていく限り、活動に終わりはないとしている。

ただ、今後の活動は新しい形で人権保護と関わるものになるだろうとマーシャは語っていて、刑務所やその他一般的な人権問題についてメディアを使って訴えていくことを考えていると説明している。なお、今回の収監については次のようにその経験を振り返っている。

「とても活動的に過ごしたから、あまり囚人という気分にはならなかった。人権活動を行っていて、刑務所内の女性らに不満点を自分でどう解決していけばいいのか説明していたのね。その後どうなったかというと、女性たちはみんなで自分たちで問題点だと考えていることを管理側に突きつけるようになったの。こうした声が生まれ始めたということがとても重要なことよね。というのはロシアの刑務所にいる人が言葉を語り始めるということ、真実のことを語り始めるということは、抑圧への抵抗を始めるということだから。とても重要で決定的なことなのね。

ロシアの服役囚は1日12時間の労働を強制されて、その報酬として、信じられないと思うけど、月に1ユーロ(約144円)から10ユーロ(約1440円)しか受け取れないの。これじゃなんの役に立たない。これじゃ到底足りないんだけど、みんなこれまでそれを証明できなかったのね。私はその証明の仕方を提案してみたわけ」

ナージャとマーシャはエカチェリーナ(カーチャ)・サムツェヴィッチらとともにプーチン大統領とロシア正教会への抗議を表明するパンク・ロック・ライヴを行い、昨年8月に騒乱罪を問われ2年の禁固刑を言い渡されたが、ソビエト崩壊後のロシアの憲法制定20周年を記念して12月18日に行われたロシア議会の恩赦により釈放が決定した。
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