マイケル・ジャクソンの死の間際の姿を、ディス・イズ・イットの舞台監督が証言
2013.07.12 21:00
マイケル・ジャクソンが2009年にロンドンで予定していた「ディス・イズ・イット」公演を取り仕切っていた舞台監督が、マイケルのあまりの具合の悪そうな様子に戦慄したと語っている。
舞台監督を務めていたケニー・オルテガはマイケルは、急死した6月25日の数日前、マイケルの様子が「とてもとても気になるものだった」と説明していて、「私は自分の目にしたマイケルの姿に戦慄しました」と語ったBBCが伝えている。
オルテガの発言は、マイケルの遺族がディス・イズ・イット公演の興行を請け負っていたAEGライヴに対して起こした訴訟の証言となるもので、マイケルの母であるキャスリーンとその一族は400億ドル(約4兆円)もの賠償を求めている。また、遺族はAEGがリハーサルの間にマイケルが健康状態を損なっていたことを身誤り、さらにマイケルの主治医を務めることになったコンラッド・マレー医師についての調査も充分に行っていなかったことを争点にしている。マレー医師はすでに麻酔薬プロポフォールをマイケルに致死量を超えて服用した過失致死について有罪判決を受けている。
これまでAEGライヴはマイケルの様子が普段と違っているようなことはなかったとしているが、オルテガの証言ではマイケルは明らかに様子がすぐれず、適切な処置を受けていなかったことを窺わせるものになっていたという。また、オルテガはそれまで行われたリハーサルのうち少なくとも4回はマイケルが薬物の影響下にあるように窺わせるものだったと語っていて、そうしたことは大抵マイケルがマレー医師を訊ねた後で起きることが多かったとも振り返っている。
あるいは死の6日前に行われたリハーサルで、マイケルは身体を震わせながら寒さを訴えたといい、自身の状況もよく把握できていない様子で、このリハーサルの後、オルテガはAEGライヴのランディ・フィリップス代表にメールを送り、その中でマイケルの様子を伝えながら、マイケルを「迷い子」のようだと説明し、適切な面倒を看るようにAEGに要求したという。
その翌日、オルテガ、フィリップス、そしてマレー医師の三者のミーティングが行われ、厳しいやりとりが戦わされたというが、マレー医師はマイケルにはリハーサルをやっていける体力は充分あるはずだと一向に言い張って聞かなかったという。なお、AEGはマレー医師の雇い入れには関わっていないとしていて、プロポフォールを処方されていたことなど知る由もなかったとしている。公判は7月下旬に結審するものと見られている。