2011年のイギリスのレコード・セールスでは7年ぶりにポップものがロックを上回ることになったと、イギリスのチャートなどを作成しているオフィシャル・チャーツ・カンパニーが明らかにしている。
2011年のアルバム・トップ10のうち7枚が「ポップ」とジャンル分けされていて、アデルやジェシー・Jなどの大ヒットにより、ポップ・レコードは全体の33.6パーセントのシェアを占めることになった。
その一方でロックのシェアはコールドプレイやノエル・ギャラガーらの大ヒット作に恵まれたにもかかわらず、31.2パーセントから29.4パーセントと数字を落とし、また2003年以来の低調ぶりを示すことになった。シングル部門でも今年はポップがロックに勝り、通年でほぼ倍のシェアを占めることになった。
また、今年はローラ・マーリングやベロウヘッドなどのアーティストの活躍によりフォーク・ミュージックにとっても充実した1年となっていて、シェアを1.6パーセントに伸ばしたという。イージー・リスニングは7.9パーセントのシェアを占めたが、これはほとんどマイケル・ブーブレによるところが大きいとか。
イギリス・レコード産業協会の代表ジェフ・テイラーは今年のセールスについてこう語っている。「2011年はポップ・アルバムが実に豊作となった1年になったのでイギリス国民全体から支持されてポップがロックを押しのけたというのは当然の結果です。ロックはここ8年でももっと悪い数字となっていますが、10枚売れたアルバムのうちの3枚はロックだったという勘定にもなるので、昨今のロックは衰退したという報道はかなり結論を急いだものだとしか言いようがないですね」。
「さらにシングルではポップはここ5年でセールスを倍増させていて、しかもロックに対して2対1のシェアを誇っています。また、この数年の間にイギリスでは影響力のあるデジタル音楽サーヴィスが激増していることも無縁ではありません。こうしたサーヴィスによって若い音楽ファンがお小遣いで充分間に合う値段でネットでトラックを楽しめるようになっているからです」
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