スフィアン・スティーヴンス「新作『ザ・エイジ・オブ・アッズ』は本能と衝動」と語る

スフィアン・スティーヴンス「新作『ザ・エイジ・オブ・アッズ』は本能と衝動」と語る - 2010年作 『ジ・エイジ・オブ・アッズ』2010年作 『ジ・エイジ・オブ・アッズ』

前作『イリノイ』からの根本的な路線変更が驚きを呼んだスフィアン・スティーヴンスの新作『ザ・エイジ・オブ・アッズ』だが、自身でもそのことを念頭に置いていたことをアイリッシュ・タイムス紙とのインタビューで明らかにしている。

「これまでのぼくの作品でのコンセプトの比重の重さを考えると、今回の新作は解放的でさえあったよ」とスフィアンは説明している。「ぼくとしては直球勝負でやりたかっただけで、そうやってなんかふるいにかけてみることが今回必要だったんだよね。なんかしらの意味性を投影していく意図もなかったからすごくパーソナルな内容になったし、それで自分自身の本能とか、自分自身のエモーションの衝動とか、そういうものだけと向き合っていくことになったんだよ」。

また、この作品のテーマについては「自分の言語を洗練させていくようなことだった」と説明している。「いや、洗練というよりは、核心部分まで削いでいくっていう感じだったかな。愛と孤独の基本的な原理についてね。そういう感情について直截に、ほとんどありきたりな形で表現することを自分に許すプロセスだったんだ」。

一時期はスフィアンとしても音楽活動そのものをやめてしまおうと真剣に考えていたそうで、『BQE』制作時には自分の方向性を完全に見失ってしまっていたという。「もうあの自意識過剰に延々と繰り出していく精神分析的な戯言に疲れてきたというか。自分自身と、自分の傷ついた、あらゆるものへの壮大なアプローチにもう飽き飽きしていたんだ」。
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