レディオヘッドのエド・オブライエンらが、常習的なファイル共有者たちのインターネット・アクセスを切断するというイギリス政府の計画を批判している。
アーティストの著作権を守るための非営利団体Featured Artists Coalition(FAC)のメンバーであるエドは、8月に梗概が発表されたこの政府の計画はファンたちを音楽から遠ざけてしまうだろうと話している。
「絶対に勝てる見込みのない戦争を始めるようなものだよ」と彼はBBC Newsに語っている。「うまくいくはずがない。簡単な話じゃないか。このあいだ、日常的にファイル共有をしている友人と話した。映画もダウンロードしていて、もう6年間も音楽にお金を使っていない人なんだけどね」
「僕が意見を訊くと、彼は笑って、『もし奴らが俺のアクセスを切断したとしても、他にやりようはいくらでもあるよ』と言った。そんなことに取り組んでもしょうがないし、別のことを考えたほうがいいよ」
ロビー団体British Academy Of Songwriters, Composer And Authorsと音楽制作者の団体Music Producers Guildとの共同声明の中で、FACは政府の方策を「高圧的」と言い、ケイト・ナッシュやブラーのデイヴ・ロウントゥリーらを含むメンバーたちは「猛反対している」と説明している。
「ファンたちを敵にまわしたくないんだ」とデイヴは話している。「ファイル共有という行為にいかに課金するかということを考えてみるのが分別あるやり方なんじゃないかな。ファイル共有だって面白い音楽がたくさんあることの証拠でもあるわけだしね」
同じく団体のメンバーであるビリー・ブラッグは、「人の注意を引くための競争が激しくなっている今の時代において、こうした施策は音楽を聴きたいという若者たちの思いを減退させてしまうんじゃないかと懸念しているんだ。ミュージシャンとして不安だね」
当初、イギリス政府はメディア監督機関のOfcomにこうしたインターネット接続の制限・切断が必要な対策かどうか、2012年までに結論を出すよう指示していた。だが筆頭国務大臣のピーター・マンデルソンが介入した結果、ビジネス・イノベーション・技能省が判断の期日を「あまりに長すぎる」と判断し、対策の内容を早期に発表したものと考えられている。
(c) NME.COM / IPC Media 2008/2009
レディオヘッドらが政府の違法ダウンロード対策を批判
2009.09.12 12:36