黙示録的だって? つまり、人間たちにこれまでの悪い行状を悔い改めさせる警告みたいな話かい? もしかしたら俺たちは滅亡のごく手前まで来てるのかも知れない。このウイルスについては色んな解釈が出来ると思うよ
ほとんど緊急リリースのように我々に届けられた“最も卑劣な殺人”の後、ついにその全貌を露わにしたボブ・ディランの新作『ラフ&ロウディ・ウェイズ』。これまでスタンダード曲のカバー・プロジェクトが続き、実に8年ぶりのオリジナル・アルバムとなっただけに、期待も大きかったはずだが、世界的に絶賛をもって迎えられることになった。
“最も卑劣な殺人”など、自身のバンド・サウンドを伴奏ギターのように使った、究極の弾き語り曲の数々、そして老境に達してその凄味がとてつもない域に達しているモダン・ブルース曲などが織り交ざった展開は、ただ刺激的で嬉しいことこのうえない。
そして、歌詞も聴けば聴くほど想像力をかきたてられるものになっているが、今回紹介するインタビューはまさにそんなこの新作の魅力を直裁にボブに訊くものになっている。表面的には飄々と答えている印象があるかもしれないが、この新作には、特に意図や構想や青写真などなかったことをよく物語っているという意味で深い含蓄のある内容だ。作曲の瞬間瞬間でこうした洞察や情景を紡ぎ出しているのだとよく分かり、とても感銘を受ける対話となっている。 (高見展)
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