ボブ・ディラン、カート・コバーン、エミネム。
サウンドもシーンも全く異なる3人だが、彼らにはあることにおいて似ている部分がある。
『ロッキング・オン』3月号では、「アメリカを揺るがした3つの魂」と題し、アメリカ社会における人々のやり切れなさや怒りを代弁してきた、3人のアーティストのインタビューをそれぞれ掲載している。
ボブ・ディラン
インタビューにてソングライティングについて語るボブ・ディラン。曲を書くにあたり環境が重要な事に触れながら自身のいるアメリカについて以下のように語っている。
アメリカでは今、多くの抑圧が起こっている。抑えつけられている人々が大勢いるんだ。彼らは町を出たいと思っているけど、その手段が分からずにいる。そのためにクリエイティヴィティが抑制されてしまってるんだ。どこに行ってもそういう空気を否応なく感じるよ。あるいは人から話として聞いたりね、分かるだろう?
カート・コバーン
ニルヴァーナがブレイクする直前、1991年に行われたカート・コバーンのインタビューを特集では掲載。
その中で、インタビュアーがバンドの楽曲“Lithium”に触れるとカートは死に対する自分の考えを話し始めた。
ほとんどの人間は現実に対処しようとしない――「そんなことしても何の役にも立たない」ってね。みんな、人生はとてつもなく神聖なものだと思っているだよ。「人生一度きりだし、死の脅威は避けられない。だから何か意味のある、みんなに衝撃を与えるようなことをやらなきゃだめだ」って。でも俺にいわせれば、死は来世に向かう途中のトイレ休憩でしかないんだ。現実にどれだけ対応できるかを調べるちょっとした検査みたいなもんなんだよ。
エミネム
2001年7月号の『ロッキング・オン』表紙インタビューに応じたエミネムは、常に自分の中にあるという怒りについて語った。
俺の中の怒りってものが消える日はないと思うんだ。それが存在し続ける限り、俺はそれを主張していかなくてはいけない。そして、俺がいつもいいたいことだけど、もし俺が何かをやるって決断したんだったら、常に他の連中と同じじゃ嫌なんだ。やるって決めたからには、誰にもできないことを、誰もこれまでやったことのないことを、俺だけにしかできない方法でやり遂げたいって思うんだ。
3人のインタビューは他にもその時代を反映したコメントやメッセージ、それぞれの音楽に対する姿勢などが述べられている。エミネムが復活をとげた今、3人の言葉から改めてアメリカを揺るがしてきた魂を感じてみてほしい。
『ロッキング・オン』3月号の詳細はこちらから。
http://www.rockinon.co.jp/product/magazine/144246