そしてそれは、生々しくリアルな感情の機微を歌いながらも「表現者のエゴ」を見事に漂白しきって清冽かつ伸びやかに歌い上げる、三浦透子のボーカリゼーションとは不可分のものだった。
「役者の歌声というよりも、世界そのものの響きのような声」(新海監督)、「発せられた瞬間に、どんな天気をも晴れにしてしまうような圧倒的で不思議な力を持っていました」(RADWIMPS・野田洋次郎)と両者とも絶賛を惜しまないその歌声は、半径30cmの孤独も、クラップ鳴り渡るスタジアムクラスの高揚感も1曲の中で体現してみせる。
予告映像から想像していた同楽曲の透度と輝度は、映画の物語性と一丸となって押し寄せる超弩級の生命力とスケール感によってあっさりと上書きされ、我々の人生そのもののサウンドトラックとして日常に寄り添い、魂を突き動かしてくる。女優として着実にキャリアを積む中、実に1年ほどに及ぶオーディションによって選び抜かれ、新海監督×RADWIMPSのコラボレーションに、そして日本のポップミュージックに新たな上昇気流をもたらした三浦。
8月9日には新海監督の編集による『天気の子』特別映像とともに、『ミュージックステーション』でのテレビ初パフォーマンスも予定されている。新しい物語が始まる予感に、抑え難く胸が躍る。(高橋智樹)