プリンス、死因となった鎮痛剤の血中濃度が「異常に」高かったことが判明。致死量を大幅に超える濃度
2018.03.28 12:45
2016年4月にフェンタニル(オピオイド系鎮痛剤)の過剰摂取により逝去したプリンスだが、米「AP通信」が今回新たに入手したという薬毒物検査の結果報告書により、プリンスの体内から「異常に高い」濃度のフェンタニルが検出されていたことが明らかになったようだ。
「AP通信」が入手したという報告書をもとに「The Guardian」が報じたところによると、プリンスの体内からは、死因となったことが断定できる量のフェンタニルが検出されたとのことだ。
Rutgers New Jersey Medical Schoolのルイス・ネルソン医師は、プリンスの血液中のフェンタニルの濃度について「フェンタニルを処方されている慢性痛を持つ患者であることを考慮しても異常に高い」とコメントしており、これが死因となったことは「火を見るより明らか」だとしているという。
致死量が1リットルあたり3から58グラムとされているフェンタニルだが、報告書によると、プリンスの血液中からは1リットルあたり67.8マイクログラムが検出されたとのこと。さらに肝臓からは1キログラムあたり450マイクログラムのフェンタニルが検出されたようだが、1キログラムあたり69マイクログラムでも「過剰摂取、もしくは死に至る可能性がある」とされているのだという。
昨年10月に逝去したトム・ペティの死因もオピオイドを含む処方箋薬の過剰摂取であったが、現在米国では、こうした鎮痛剤の過剰摂取が55歳以下の死因のトップとなっている。
この問題は「オピオイド・クライシス(鎮痛剤危機)」として国際非常事態として扱われており、トム・ペティの遺族も「オピオイド・クライシスについてさらなる話し合いが行われるように」との意向のもと死因を発表したとコメントしていた。
なお、最近では「TIME」でも「オピオイド・クライシス」の特集が組まれていた。この号ではレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが薬物依存にまつわる自身の経験について語っており、過去にスノーボードで骨折した際、担当医から処方された鎮痛剤が自身を薬物依存に引き戻しかねなかった体験についても明らかにしている。