トップバッターのTHE BACK HORNは1曲目の“幾千光年の孤独”から、エネルギー全開で、カオティックなパフォーマンスをたたきつける。菅波が倒れながらギターをかきむしり、山田と岡峰ものたうちまわる。新曲“罠”の、これぞバックホーン!なおどろおどろしいダークネスは、本当に痛快だった。
2番手の銀名BOYZは、短パン1枚で峯田が登場し、ギターを持って椅子にひとり座る。18歳のときに宮沢賢治の声を聞いた話から、他のメンバーも登場し、“銀河鉄道の夜”へ。この日の銀杏は、7曲というセットリストだったが、とにかく濃かった。“援助交際”では峯田がステージから消え、2F席に現れ、観客と入り乱れながら駆けずり回る。その間、ステージでは、村井とチン中村が客席にダイブ。ラスト“僕たちは世界を変えることができない”まで、決死のパフォーマンスは続いた。圧巻。
ラストはBUMP OF CHICKEN。“真っ赤な空を見ただろうか”からスタートしたが、藤原の声が非常によく出ている。空気がまっすぐに切り裂かれ、最速で聴き手の心を鷲掴みにする。「『SCHOOL OF LOCK!』でコーナーやってたときはずっとこんな気持ちでした。“メーデー”!」という藤原の力強い声に続き、新曲“メーデー”を披露。ラストの“天体観測”が終わっても、もちろん場内の興奮はおさまらない。再び4人が登場し、藤原が「また会いたいと思ってもまた会える保障なんてどこにもないのでそのつもりで歌います。よろしく」と話す。そして、“ガラスのブルース”。深いかかわりのある番組への愛情がふしぶしから感じられた、とても誠実で真摯なライヴだった。(小松香里)