途中経過のWANIMAの音を鳴らしている感じがするんですよ。間違いながらもマシになって、止まりながらも進んでる中でできた感じ(KENTA)
──KENTAとKO-SHINが手術をしたという話を聞いたんだけど、大丈夫なの?KENTA(Vo・B) そう、2月13日に俺とKO-SHINが椎間板ヘルニアの手術をしたんですよ。俺のは、小学校の時に来たのが響いてて、KO-SHINは最近来たんですけど。俺は背骨の5番目の右側、KO-SHINは左側っていう。で、同じタイミングで手術して。実は、手術の影響が結構長引いちゃっているんですよね。今も響いてて。──それは活動に影響してるの?KENTA かなり影響してる。曲もそうだし。これはインタビューでは言わんとこうかなって思ったけど、あえて言うことにしました。──じゃあ今は、体を労わりつつ活動してるんだね。KENTA はい。──今日は『Excuse Error』について話を聞こうと思うんだけど、ミニアルバムはめちゃくちゃ久しぶりだよね。でもミニアルバムと言いつつ、ある意味フルアルバムに匹敵する作品になっていて、収録曲のクオリティは過去最高を塗り替えている。WANIMAにとって非常に画期的な作品だと思います。それぞれ、手応えはどうですか?KENTA 途中経過のWANIMAの音を鳴らしている感じがするんですよ。間違いながらもマシになって、止まりながらも進んでる中でできた感じです。──おお。現在進行形っていうこと?KENTA あ、そうです。ちゃんと自分の今の位置を確認しながら。最初に言うたみたいに、ヘルニアの痛みとの戦いもある中で作っていきましたね。──なるほどね。出来に関しては?KENTA 出来は、もちろんいいと思ってます。いいと思わんと出さんし。──KO-SHINはどうですか?KO-SHIN(G・Cho) 独立して、うまくいかないことも多い中で、着実に一個一個クリアしていくっていうか、前に進み続けてきて。そういう今現在の僕らを示せた曲たちっていう感じです。FUJI (Dr・Cho) 今までのWANIMAの武器とは別軸の魅力の出し方とか、楽曲の良さを、グッと詰めて出せたかなって感じてます。いつもバラエティに富んだ作品にはなるんですけど、今回は一曲一曲がちゃんと役割を果たしている7曲が並んでる感覚。フルアルバムの時より曲順を熟考したところもあって、ベストな流れの7曲だなって。移動中にヘビーローテーションで聴いてるぐらい、手応えは感じています。──今話を聞いていて意外だったのは、去年とかその前ぐらいから、ツアーも「1CHANCE FESTIVAL」もいい形でやってたし、新曲も活発に出していて、順調に進んでる印象を俺は受けていたんだけど。だから今回のミニアルバムも、活動がうまくいってて、曲できてしゃあないわ、みたいな感じだから出すんだと思ってたんだよね。でも、そういうことではないんだね。KENTA 曲は常に作ってますね。去年は10周年に紐づけて、単発で曲を出していったんですよ。でも単発で出すと、なんていうか、伝えきれない部分があって。だから今FUJIくんが言ったみたいに、1曲目から7曲目の流れがある作品を出そうって思ったんです。
──気になったのは、うまくいかないことが多かったっていう話で。KENTA WANIMAとしてもそうやし、自分としてもずっと突っ走ってきた中で、手術で約1ヶ月間寝たきりになって。10年やってきて、初めて「止まる」っていう状況になって。休むのも仕事のうちやって思うようにしてたけど、去年単発で曲を出した時の世間の反応とかも含めて、食らっちゃったんですよね。向上心もあるんだけど、その中での葛藤みたいなものが、より強くなっていっている感じですね。──KO-SHINも、独立してからうまくいかないことがあったと言ってたけど。KENTA 新体制になって、昔からの仲間とやるって決めて。同時に新しいスタッフも入ってきたりして。聞かなくていいことまでメンバーが聞くようになっちゃったんですよね。モロに数字の面とか、今まで見てこなかったものに触れなきゃいけなくなったし。アーティストである自分とは別枠で知っちゃったこともあるから、KO-SHINが言ったのにはそういう部分も含まれてると思うんです。プラス、節制して筋トレに向かっていった中で体を壊したんですよ。ヘルニアが4個あるんですよね。手術したのはそのうち1個で、あと3つは残ってて。取り除いたけど、まだ痛みはある。いつか残る3つも取り除かなきゃいけないのかっていう不安と焦りとが「うまくいかない」っていう言葉になったと思うんですけど。KO-SHIN そうですね。体もぶっ壊れたし、モロにグサグサ来たっていう。──今までは守られてた部分もあって。KENTA 守られてたプラス、そこまで見る必要がなかった。そういう面も今、一個一個クリアしていってる。『Excuse Error』のタイトル通りですよね。間違いながらもマシになっている。毎日、朝起きてから寝るまでいろいろ起きる中で、一個一個チームで、個々でクリアしていっている。
独立して大変な時期もあったとはいえ、「自分たちでやってる」って実感はすごいプラスで。だからこそ、一曲一曲の幅が広がってきた(KO-SHIN)
──そういう期間を経ての精神状態は、この作品にかなり影響しているよね。本質的に変わったなって思ったのは、今までのWANIMAの歌は、リスナーに寄り添ってる歌もあるし、結論を掲げて「ついてこい」みたいな歌もあるんだけど、やっぱWANIMAの歌だった。あるいはKENTAが主人公の歌に聴こえてきたんだけど。今回は、聴いている自分自身の歌として聴けるっていうか。歌と一体化できるなと思ったんだよね。そう言われてどう?KENTA 嬉しいです。──歌詞もサウンドも変わってると思うんだけど、作ってるほうとしては、「こういうことをやった」っていう意識的な部分ってある?KENTA 細かいことはいっぱいやってるんですけど、今までの延長でしかない気もしていて。なんだろうな……自分と向き合って、自分と会話して作ったから。自分を盛り上げたかったし、落ちやすい性格なので、食い止めるような状態で向き合って作ってたっすね。──今までも、自分とは向き合っていたと思うんだよ。たとえば、闇から逃れさせてくれる言葉を見つけて、それを歌にするようなことはしてきたじゃない? でも今回は、向き合っている自分をそのまま受け入れるような曲がものすごく多いんじゃないかなって。アプローチ、変わったと思わない?KENTA 受け入れるっていうのは、かなりそうかも。動けない時期とか、1年間ずーっと腰が痛かったこととか。今までできたことができんようになった焦りとか、そういう葛藤がすごくあって。でも、自分の周りで起きてることを見て、今までやったら爆発してたこともグッとこらえて、なるべく俯瞰して見るようにしたんですよね。そういうのが生きたのかもしれないですね。──前だったら、受け入れたり俯瞰することって、KENTAの中では歌にならなかった気がするんですよ。今回それを歌にしようと思ったのは、めちゃくちゃデカい変化だと俺は思うんだけどね。KENTA ありがとうございます。嬉しいっす。そういうふうに見てくれて。──自分の中で、曲を生み出す時のアプローチが変化したり、成長したような感覚はあるの?KENTA まあ、「こう言わないかん」とかなくなったかもしれないですね。──そうだよね。だってさ、“十分だった”なんて、歌の中でなんにも起きないじゃない? その「なんにも起きない」ことを歌っている。以前だったら、なんにも起きないのなんて歌になるか!って感じだったと思うんだけど。KENTA それがいちばん救いだったりしたし。いろいろ抗ったり、何やってもダメだ!っていう時に、救いになるような曲が作りたくて。受け取った人がキツい状況にあったら、この曲でひと息ついてほしいなって思いましたね。
──“Still Here”もそうだし、“inside”もそうだと思うし。そういうことを歌えるようになったのって、KENTAくんにとっては、自信からくる余裕なのか、ソングライターとしての成長なのか。それとも、たまたま今辛い時期だったから、そういうアプローチをせざるを得なかったのかで言うと?KENTA 新体制になって、僕らが、メンバー自身がチームを引っ張っていかないといけないっていうのがあって。メンバーが上がってないと、周りも上がらない。そういう意味で、いろんなことを俯瞰して見れるようになったのはデカいですかね。──なるほどね。こういう表現をすることに対して、迷いはない?KENTA 迷いなかったっすね。どう思われるかよりも、「いや、これでいい」って思って作っていったというか。