──そして、4曲目は“TOISU de DISCO feat. ハヤシヒロユキ from POLYSICS”。POLYSICSは、音楽性においても、魂の面においても、テレフォンズの直系の先輩といえる存在ですね。石毛 テレフォンズを組んだとき、北浦和KYARAの先輩スタッフに「おまえら、そういう音楽をやりたいなら、POLYSICSを聴け」と言われたくらいですから。音楽への情熱と勢いで勝負するっていうところも、俺らがPOLYSICSからかなり影響を受けた部分だと思います。松本 僕らは、言ってしまえばPOLYSICSの子どもというか。その道の上を僕らも歩いているなと思いますね。POLYSICSがいるから、僕らの音楽が受け入れてもらえる土台ができ上がっていた部分もあったと思うし、ハヤシ(ヒロユキ)さんは好まない言い方かもしれないけど、偉大な先人という感じがします。岡本 ヨーロッパツアーに連れて行ってくれたときは「POLYSICSって、こんなに世界中の人から愛されているんだ」って感動したし。あと、ハヤシさんはずっとピュアなんですよね。ハヤシさんと会うと、それまで考えていたことがバカバカしくなるというか。石毛 わかる(笑)。──今回は“TOISU de DISCO”という、まさに2組のキーフレーズがぶつかり合った楽曲になりましたね。松本 スタジオでは、ボーカルふたりがパーテーションを立てた状態でウワーッと歌ってて(笑)。現場でもエネルギーがめっちゃ溢れてました。石毛 この曲は掛け合いの応酬だから、一緒に録りたいなって。そのほうがテレフォンズとポリのライブを想像しやすい、エネルギッシュなものが録れそうだなと思ったんです。あと、この曲はノブもかなり歌っているんですよ。岡本 レコーディングはずーっと歌ってました。石毛もハヤシさんも声が高いんで大変でしたね(笑)。叫びのパートは6回くらい録ったのかな。ハヤシさんが気に入っちゃって、おかわりが(笑)。石毛 ハヤシさん、ノブの叫びに衝撃受けてたね(笑)。──アルバムを締め括るのは“My Robot feat. アユニ・D from PEDRO”。石毛さんがサウンドプロデュースでも関わっているPEDROのアユニ・Dさんとのコラボですね。本作の中でも特筆してメロディアスな名曲だと思いました石毛 さっきノブが言いましたけど、テレフォンズはキーが高い曲が多いので、女性が歌ったらハマる曲が多いなと前から思っていて。それで、最近一緒に仕事をしてもらっているアユニちゃんにお願いしました。PEDROはどっちかというと元気な曲が多いと思うんですけど、アユニちゃんの声にはエモーショナルなメロディも合うなって、PEDROの“1999”という曲を一緒に作った曲から思っていて。──レコーディングはいかがでしたか?石毛 めちゃくちゃ練習してきてくれたので、速かったですね。あと、英語の歌詞を歌うということで、軽い英会話みたいなものも習ってきてくれたみたいで。──すごいプロフェッショナリズムですね。石毛 アユニちゃんは本当に努力家なんですよね。今回のレコーディングも、あまりにもバッチリだったのでその場でいろんなリクエストを出しちゃったんですけど、それにもしっかり応えてくれて。松本 こういうストーリーテリングされた曲に気持ちを乗せて歌える人って、素敵だなと思いますね。純度が高い、というか。岡本 あと、アユニちゃんは声も魅力的だけど、僕は初めて会ったときから「空気がいいなあ」と思った。ライブを観たときもそう思ったし。それが歌にも表れていて。石毛の曲ともマッチしているし、すごくいい曲になったなと思いますね。ライブでどうなるかも楽しみです。──松本さんがおっしゃった「純度の高さ」というのは、もしかしたら、このコラボアルバムに参加したすべての人たちに共通するものなのかもしれないですね。石毛 逆に「純粋じゃないミュージシャンなんているのか?」とも思いますね。もちろん「純粋だからいい」という話でもないと思うんですけど、類は友を呼ぶというか。そういう人たちが周りにいてくれる、ありがたい環境なのかもしれないですね。「純粋じゃないミュージシャンなんているのか?」と思います。類は友を呼ぶというか。そういう人たちが周りにいてくれる、ありがたい環境なのかもしれないです(石毛)
バンドを組んだ頃は、自分のことを強く見せようとしたこともあったけど、歳を取ると「そんなことはしなくていいんだ」とわかる。変なバイアスをかけず、素直に伝えたい、という気持ちになるんです(石毛)
──アルバムのラスト前には、テレフォンズ単独の新曲“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!! 2”が収録されていますが、この曲はアルバム『We Love Telephones!!!』(2010年)に収録された楽曲の16年越しのパート2ですね。歌詞の世界観に、どこか下世代に語り掛けるようなニュアンスが感じられるところが印象的でした。石毛 前回の“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!”は、曲名に「SAITAMA」と入りつつも、埼玉のことは何ひとつ歌っていなかったと思うんです。でも、今回は、ちゃんと埼玉のことを歌おうと思って。「等身大で埼玉を愛せたらいいよね」と思って作ったんですよね。背伸びもせず。「下世代に伝えたい」という気持ちは、個人的にはそんなになかったんですけどね。どっちかというと、20周年を迎えたタイミングでバンドが生まれた場所や、自分が生まれた場所を見直したい、という気持ちが大きかったです。──「等身大」というのは重要なポイントでしたか?石毛 年齢のせいもあると思うんですけど、バンドを組んだ頃は、自分のことをよく見せようとしたり、強く見せようとしたこともあったと思うんですけど、歳を取ると「そんなことはしなくていいんだ」とわかってきて。変なバイアスをかけず、素直に伝えたい、という気持ちになってくるんですよね。松本 若い頃って、きっと何かに飢えているし、それゆえのハングリーさがあると思うけど、僕らも歳を重ねてきて、ちょっとずつ「伝え、残す」というスタンスが出てきたのかなと思いますね。僕は“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!! 2”は、そんなふうに受け取りました。石毛 「こういうバンドもいるよ」と、ちょっとでも思ってもらえればいいのかなと思います。こういう音楽をやるバンドって今は世界でもそんなにいないし、「埼玉からこういうバンドが出てきたんだ」ということを、埼玉の人たちにも誇ってほしいし。──改めて、「20年」という年月に対してはどんなことを感じられていますか?石毛 「20周年」という言葉が最初に議題に上がったときは、シンプルにちょっと怖かったです。シャレにならんなって。嬉しさよりも先に、「頑張ろう」って気持ちになりました。岡本 ほぼ人生の半分だからね。自分が好きだったアーティストが「20周年!」って掲げているのを見て、昔は「すげえ!」と思っていたけど、それと一緒なんだって。でも、ORANGE RANGEは25年だし、9mmやボウディーズのほうがちょっと長いし、TOTALFATみたいな同い年のバンドもいるし。彼らを見ると、ちょっと安心します(笑)。「僕たちもまだまだこれからだな」って。松本 自分たちで始めたことだけど、このアルバムも含めて、たくさんの人の協力があって続けることができた20周年なので。石毛 そうだよ。テレフォンズに関わった人、みんなが20周年ってことだよ。松本 そうだね(笑)。これまでテレフォンズに協力してくれた人たちに、改めて感謝です。──5月には錚々たる顔ぶれが参加する20周年記念イベント「the telephones SUPER DISCO HITS!!! – 20周年ファイナルだよ、全員集合 –」がZepp Shinjuku(TOKYO)で開催されますが、やはりテレフォンズは人々を繋いでいくバンドなんだなと思います。バンドであり、ひとつの「場」でもあるというか。石毛 ハブみたいなバンドですよね、テレフォンズは。デビューがしたかったわけでもなく、ただ「フジロックに出たい」という気持ちだけで始まったバンドが、こんなにたくさんのお客さんやアーティストを巻き込んでライブをやれることは、本当に誇りに思っています。Zepp Shinjukuには、今回の音源に参加してくれた人たち以外にも4s4kiちゃん、ドミコの(さかした)ひかる、それにSPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチロック……and moreでいいんだよね?岡本 「and more」です!石毛 いろんな人たちが来てくれるので。思えば4s4kiちゃんも埼玉出身だし、ドミコも北浦和KYARAでよくやっていたバンドで。でも、ジャンルはそれぞれ違っていて、そんなアーティストたちがテレフォンズを介して一緒にやれる。イチロックみたいなキワモノまで扱える(笑)。それができるのはテレフォンズのメンバー自体、それぞれ違った個を持っているからなのかもしれないし。自分で言うのはなんですけど、テレフォンズは受け幅の広いバンドになったなと思いますね。こんな大勢のゲストを一気に呼べるバンドはテレフォンズしかいないと思うので、この記事を読んだ人は、5月31日にZepp Shinjukuに来たほうがいいです!