エマの曲は特に、僕が自由になれる。
そういう雰囲気も、今のイエロー・モンキーの佇まいと共通してるところがあるんでしょうね(吉井)
──新曲の”CAT CITY”、今のイエロー・モンキーのあり方がものすごくわかりやすく出てる曲だなと思って。まずは、この曲がどういうふうに生まれたのか、教えてください。吉井 楽曲としては、『Sparkle X』の収録候補の中に、エマの作曲した曲として含まれてました。でもアルバム収録は見送らせていただいて。で、そのあと、アルバムのコンプリートボックスを出す時に、エマの作曲のリストにあった“Kozu”を収録することになったんですね。それで、新たに“Kozu”の歌をレコーディングして。その時にちょうどアニメ(『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』)のタイアップの話が来たので、“CAT CITY”が合うかもしれないと思ってアニメサイドにエマの曲を投げたら、楽曲的にはOKだったので、そこに僕が歌詞を乗っけたという流れです。アニメの内容が、猫のウイルスによって人間が猫になっちゃうっていう、パンデミックも少しかかった、社会性のある内容で。エマの曲は特にそうなんだけど、僕が自由になれるんですよね。自分の曲だったらこういう歌詞は書かないと思うんだけど。
──そうですね(笑)。吉井 そういう雰囲気も、今のイエロー・モンキーの佇まいと共通してるところがあるんでしょうね(笑)。だからタイミングがすごくよかったね。
──これ、画期的だなあと思って。特にシングル曲的なポジションになるっていうのがね。エマの曲自体もすごくイノセントというか、無防備というか。かっこいいギターリフと、かっこいいギターカッティングと、かっこいいギターソロと。エマ そうですね。そうですね?(笑)。
アニー ははははは、認めた!
エマ でも確かに、思いついたまま書いた曲ではあって。アニメ側からは「イエロー・モンキーらしいロックっぽい曲を」みたいな感じに言われてたんで、この曲がいいんじゃないかってみんなで決めたんですけど。ほんとにノリのまま作ってて⋯⋯Aメロ、Bメロの回数とかも適当に作って。
吉井 適当なのかこれ!(笑)。
エマ 適当っていうか、ノリのまま作ってて。あとでみんなでいいとこだけチョイスして形にすればいいなと思って、デモを作って持ってったら、そのまま使われたっていう(笑)。
──最高じゃないですか、それ。エマ 最低というか、最高というか(笑)。キメもいろいろな素材をてんこ盛りで持ってったのを、そのまんま使ってるっていう。そこにロビンの歌詞がきて、自由度がさらにすごくなってきた。
──すごいよね。エマの、超ピュアなロック大好き少年のロック大好きソングに、超無責任な歌詞が──。吉井 ひどい! 無責任ではないでしょ!? めちゃ責任感あるじゃないですかこの歌詞! 責任感しかないでしょ?
──《セカオワ》って言ってるよ(笑)。吉井 いやいやいやいや(笑)。世界の終わりのことですよ。
──《モフモフ》って言ってるよ(笑)。吉井 はははははは!
エマ アニメは絵はかわいいんだけど内容はシュールだから、実はもっとダーク寄りなサビも作ってたんですけど、最終的にはこの明るいほうになったっていうのが、ちょっとイエロー・モンキーっぽいなっていう感じはしてます。
──《ネコニャンパリ》のところ?吉井 そう。
エマ テンポが落ちてヘヴィになる感じのサビも考えたんですけど、ポップバージョンで決まって。そしたら《ネコニャンパリ》でした。
吉井 ベースが特にアニメっぽいよね。昭和の。なめ猫か!ぐらいの(笑)。
エマ (笑)。そっちだね、確かに。
ヒーセ この曲を最初に聴いた時は、『Sparkle X』の候補の1曲で、その時はレコーディングしなかったんで、ぶっちゃけ、どう弾こうかなとかは考えられてなくて。改めて、タイアップになります、じゃあレコーディングしましょうってなった時に、初めて楽曲に乗っかってみたんですよね。そしたらすごく新鮮な気持ちで聴けたし、「ああ、こういうことか」っていう自分の中の納得もあって。こうやって弾こうっていうのが自然に芽生えた感じでした。
吉井 Bメロの《(ミャア)》っていうとこあるでしょう? これ、デモでエマが言ってることなんですよ。本人的にはミャアじゃなくて⋯⋯ギャア?
エマ ナア、ナアだよ。
吉井 それが既に入ってたんですよ。それをそのまま使ってるんで。
アニー 猫の曲になる前から、もうそうなってたっていう。
吉井 これは《(ミャア)》しかないだろう、みたいな。
エマ 持ってかれました、猫に(笑)。
吉井 でもギターソロ前のパートとかは♪フンムゥ~しか入ってなくて、どうすりゃいいんだ、これ!みたいな。考えましたよ! 気づきました? ネコと申(サル)で《ネ申》ですよ?
──(笑)。そうだね。吉井 これは俺、天才だと思った!
アニー 天才だったね。これ、神だよ。
エマ 自慢してたもん。
吉井 俺は神だと! まいったかと!
アニー ぐっときたもん。
──いろんな感覚的ワードがてんこ盛りですけど、歌詞のメッセージは⋯⋯。吉井 これはもう、アニメのストーリーに沿って書いてるんで。アニメを観ながら聴いたら「ストーリー、この詞からできてんじゃないの?」ぐらいに思いますよ。寸分狂いない!
エマ 「寸分狂いない」(笑)。
吉井 でも僕、猫飼ったことないし、そんなに普段からネコチャンネコチャン言わないので、猫愛好家の人に失礼がないように、細心の注意を払って!
エマ ははははは。
吉井 そこ大事なんで! もうリサーチしまくって、「これ大丈夫ですか? 失礼ないですかね?」みたいな。
ヒーセ まあ、作者(エマ)が猫マニアですから(笑)。
──メンバーとしてはどうですか?エマ こういう感じの曲は今まであんまりなかったのかもしれないけど、メンバーが演奏してるのを意識しながら作ってたので、できあがった時はすごい理想的な感じでしたね。
吉井 なかったもんね、こういう曲。
ヒーセ 片鱗は見え隠れしてたけどね。これ、昔やってたらたぶん、『FOUR SEASONS』の頃のテイストっていうか。
吉井 ああ、そうね。
ヒーセ そういう意味では、今回のツアーにちょっとリンクしてる感じもあって。FINAL BLOCKの1曲だとしたら、タイアップがなかったとしても全然成り立つし、むしろ光るというか。
──これ聴いて、ツアー観て。イエロー・モンキーってほんとに長~いストーリーを歩んできたバンドだけど、もう道を一歩一歩歩いてるっていう感じでもなくなってきてるっていうかさ。進んでるさまを見せるとかじゃなくて。今の自分たちはこれですって、潔く今を見せてるだけのバンドに変わってきたなって、ちょっと思いますけどね。吉井 そうね。生きてるだけでありがたいと思い始めてる年齢だからね(笑)。
──だからといって悟りきった曲に行くんじゃなくて、ちゃんとロックと結びついてるっていう。吉井 (笑)。確かに。
──ああ、ありがたい曲だ!吉井 何今の! ははははははは。
アニー (笑)。すごい感想ですね。
吉井 「ああ、ありがたい曲だ!」
エマ ま、確かに平均年齢60のバンドがやる曲じゃあんまないからね。それがいいんじゃないかな。
ヘア&メイク=Yuka Mihara、Cana Imai スタイリング=Shohei Kashima(W)
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