──ライブの熱気そのままというか、凄まじく臨場感に溢れた新作が完成しました。山口大貴(Vo・G) みんながレコーディングの中でやりやすい方法を見つけたのもあって。自分はレコーディングが苦手だったんですけど、部屋を暗くしたらライブハウスの感じになって乗りやすくなるというか。明神竜太郎(Dr・Cho) あぁ、やってたな。謎に上着も脱いでたし(笑)。めっちゃ思いっきりやりましたね。山口 で、風邪を引きました(笑)。──それぐらい集中してたってことですよね。山口 あと、(アルバム収録前の新曲を披露する)「未歓声ノ音」というツアーをやってたんで、それも臨場感に繋がってるのかなって。──そのツアーでは全曲披露していたんですか?明神 “悪あがき”以外はやってました。そのプロセスがあったんで、曲がいつもより完成されてるというか、レコーディングへ挑んだ時に悩むところがなくて。堀内一憲(B・Cho) ライブでやってたものをそのまま出すっていう。ピッキングの強さとかも体に入ってるモノを出せました。桑原拓也(G・Cho) “悪あがき”は録る2日前とかにようやく完成したので大変でしたけど、完成したら全曲いいなって。──ツアーが始まる段階で完成度って何%ぐらいでした?山口 6、7割ぐらいじゃないですかね。明神 大体の構成が決まってたものに対して、どっか入れ替えたり、ビートを変えてみたり。山口 歌詞もちょくちょく変わったりしましたね。堀内 それで歌のメロディが変わったら、合わせてコード進行はこうしたいとなったり。──歌詞やフレーズを変える基準はなんだったんですか?山口 お客さんの反応を見て「こうしたほうがいいか?」ってやってみました。それで昨日と比べて反応が変わったり、自分たち自身でもしっくりきたら変えてました。──じゃあ、ライブが終わるたびに4人でディスカッションするような。明神 めっちゃやってました。(活動)初期に戻った感じもして、楽しかったですね。──いい結果にも繋がりましたけど、このスタイルがプッシュプルポットのスタンダードになっていくんですかね。山口 オモロいから来年もやってみたいな、とは思ってますね。常にギリギリのところに立ってて越えなきゃいけない毎日の積み重ねなのかなって。でも、それも楽しくなってきた
──そうやって完成した新作で冒頭を飾るのは“どうか”です。先行配信もされましたけど、まずはこの曲を届けたかった?山口 1曲目に置いたのはプッシュプルポットらしさが出てるから、っていう。メンバーに曲を送った時も「これ、いいじゃん!」ってすぐなってたんです。明神 いちばん早くピンときたよね?堀内 ライブをイメージしやすかったですね。どういう人に幸せになってほしいか、それを願うかと考えた時、真っ先に出てきたのが「優しい」ってことでした
──バンドの顔になりそうな予感というか。明神 めちゃめちゃしました。披露した時のお客さんの顔を見ても「やっぱ、そうだよね!」みたいな。──そういう曲を書こうと思っていたんですか?山口 プッシュプルポットらしく書きたいとは思ってて。シンガロングしたいし、歌メロも熱さを出したいから細かく切るように歌ってみたり。あと、《幸せ》ってワードを歌いたくて。そういう曲がなかったので、自分は何に幸せを願うんだろうと考えながら書きました。
──この曲は優しすぎるがゆえに傷つくこともある「君」への応援歌になってます。山口さんご自身も小さい頃から優しすぎると言われてきたそうですけど。山口 そうっすね(苦笑)。今の歳になっても親から言われたりします。明神 (山口は)フラストレーションをそのまま言語化しないんですよ。リフレーミングしてから人に伝えるクセがあるし、話し合いをする時も言い方をすごく考えてて。山口 いろんな言い方をして伝えるかもしれないですよね。ひとつの言い方じゃなくて、何個も「たとえば⋯⋯」って。明神 たとえ話が多すぎてわかんない時もありますけど(笑)。一同 (笑)。──優しいっていいことじゃないですか。でも、不条理な社会ではそこにつけ込まれたり、利用されることもあって。その空気に対して、真っ当な優しい人が報われるべきだ、っていう考えもあるのかなと。山口 自分自身、優しいだけじゃダメだよってことに対して「なんでダメなん?」みたいに思ってたんです。身近にも優しさがあることによって苦しむ人がいるから、「なんでこの人が苦しむ必要があるんだろう?」って。──感情を歌ってるだけじゃなく、そのベースに主義主張があるのもいいなと思ったんです。山口 どういう人に幸せになってほしいか、それを願うかと考えた時、真っ先に出てきたのが「優しい」ってことでした。