自分の考えた振り付けをメンバーが踊ってくれてるのはすごくうれしい(柏木ひなた)
――小林さんと中山さんにとっては、大人にもなれる環境でしょうか。そんなおふたりと同い年のクリエイターであるMega Shinnosukeさんが作詞作曲編曲を手掛けているのが“踊るロクデナシ”。これは10代の不安定な感情がリアルに描かれている曲になりました。
真山 メガシンさんが人生で5曲目に作った曲がこれっていう。天才だなって思うよね。
星名 歌詞もすごいよね。自分が18歳の時にこんな歌詞書けなかったと思う。
中山 年上メンバー(真山、安本、星名、柏木)はもうそれぞれの同い年のスタッフさんとお仕事をすることが増えてきてるんですけど、私たちふたりは同い年の方とお仕事できることが初めてで。
小林 実際にお会いできてないんですけど「おぉ~う! 18歳なんだ~! 同級生じゃん!」っていう親近感がすごくありました。すごくこの曲気に入って、普段から聴いてて。それくらい好きです。
――ロックにファンクやラップなどのブラックミュージック要素が融合していて、エビ中としても新機軸ですよね。
星名 振り入れしたらどんな感じになるのかな。早く自分たちでも踊ってる映像で見てみたいですね。
――『MUSiC』で柏木さんが振り付けを担当した楽曲はあるんですか?
柏木 今回はないんですけど、自分としてはまたやりたいと思っていて。いつもお願いはしてるんですけど、まったく話がこないんです(笑)。
真山 今年は10周年で私たちがいろいろ動かなきゃいけないから、ひなたに負担をかけないようにしてくれてるんだよ(笑)。
柏木 そうだね(笑)。みんなのダンスを見ているのが個人的に好きなんです。前に振り付けを考えた“スウィーテスト・多忙。”はけっこう可愛い曲だったのでそれに合う振り付けを考えたんですけど、実際私が得意なのはがちがちに踊るタイプなので、もしエビ中にそういう曲が来たらみんなに私の考えた振り付けでがちがちに踊ってもらうことがひとつの夢でもあります。
――あら、Sっぽい(笑)。
真山 ひなたは私の苦手なステップとか知ってるから、“スウィーテスト・多忙。”でそのステップを入れてきたんですよ(笑)。
柏木 でもそのステップが出てくる曲がほかにもあって、“スウィーテスト・多忙。”のあと、みんなそのステップが得意になってたんですよね(笑)。できるようになってたんです!
真山 そう! この間褒められたの!
柏木 ファンクラブイベントでステージに立っている時、メンバーが踊れてるのを見て「えっ!? いつの間にこんなに上手に!?」って。ひとりで感動してました。
真山 メンバーが付けると先生たちとは違った視点の振り付けになるし、自分たちもいつもとは違う気持ち……「友達が作った振り付けだからがんばろう!」という気持ちで踊りに向き合えるというか。
柏木 やっぱり同じステージに立ってパフォーマンスをしているので、みんなの得意不得意もなんとなくわかってくるので、「こういうものを入れたらきっとこの子は輝くんだろうな」とかも見えてきて。振り付けを考えるのは大変なんですけどやりがいも感じるし、自分の考えた振り付けを踊ってくれてるのはすごくうれしい。またいつかできたらいいなと思ってますね。
10年やってきたことで――汚い言い方になっちゃいますけど――お金の取れる学芸会は私たちだけだなと思います(笑)(真山りか)
――楽しみにしています。そして挑戦が歴史と詰まったアルバムのラストを飾るのが“元気しかない!”という、楽曲というかコントというオチの付け方(笑)。
星名 ほんとにコントでしたね(笑)。レコーディングもみんなで一緒にマイクを並べて録って、目の前には歌詞に出てくるアイテムが置いてあったんです。
中山 おにぎりとか持ちながら歌ってたよね。
星名 「食べていいから!」とか言われてたよね(笑)。
真山 『MUSiC』ってタイトルで最後の最後で全然歌えてないっていう(笑)。おまけに“元気しかない!”って!
――《元気がなかったらうちらなんてただのぞうきんだよ!?》ってセリフは特にぶっ飛んでて笑っちゃいました(笑)。
小林 そのセリフ最高ですよね! 面白すぎ!(笑)。
星名 周りの方々から「『MUSiC』ってタイトルすごくハードル上がってない?」と言われるけど、エビ中だからこそ恐怖心とかなく果敢に挑んで、最後にこの安心感があるというか(笑)。やっぱりエビ中はエビ中だなと思ってもらえるんじゃないかな、という締めの1曲になっています(笑)。
――そもそも“元気しかない!”はグループ魂の港カヲルさんのソロアルバム『俺でいいのかい』収録の“女子力発電おじさん~私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル~”のアンサーソングなんですよね。どちらも宮藤官九郎さんが作詞を担当していて。
柏木 “女子力発電おじさん”に引き続き、私はカヲルさんと入れ替わることになりました(笑)。
小林 そしたら私がニューロティカのイノウエアツシさんと入れ替わることになっちゃって(笑)。
真山 最終的に全員おじさんと入れ替わるという……。自分たちのアルバムで最後おじさんだらけになるって!(笑)。
全員 最高だよね!(笑)。
安本 しかもおじさんのレコーディングがいちばんテイク多くて時間かかってます(笑)。
小林 パターン違いのものを録った丁寧なレコーディングだったねえ。
――あははは。可愛いVTuberともおじさんともコラボするし(笑)。
小林 ほんと盛りだくさんです!
真山 みなさんに私たちの持っているものを引き出していただいた……という感覚ですね。
――まだまだポテンシャルを秘めていることを感じられるアルバムでした。中学生だから成長真っ盛りですしね。
星名 そうですね(笑)。まだまだ成長していきます!
――「king of学芸会」もまだまだパワーアップしていくのだろうなと期待も高まりました。
真山 ほんとの初期は歌もダンスもできなくて、「キレのないダンスと不安定な歌唱力」というキャッチフレーズを付けられて(笑)。
星名 本当の意味での「学芸会」だったんだよね(笑)。
真山 だから「king」だったね(笑)。でも10年やってきたことで――汚い言い方になっちゃいますけど――お金の取れる学芸会は私たちだけだなと思います(笑)。今はそういう意味での「king of 学芸会」ですね。
安本 うん。プロの学芸会だよね。
小林 学芸会はお任せあれ!
真山 唯一無二ですね。4月7日から始まる全国ツアーも全会場ライブハウスなので、いつもと違ったツアーになりそうなので楽しみです。
柏木 『MUSiC』の楽曲はホール向けのものが多いので、この曲たちをライブハウスでやったらどうなるんだろう?って。いつもとまったく違うライブになりそう。
安本 ライブハウスのような距離の近いところで、楽曲を通して自分たちのいろんな想いを伝えられるのはすごくうれしいんです。いろんなことを伝えられたらいいな。