ポップ・ロック・バンド新時代がやってきた!その幕を開けるのは誰なのか?!
ポップ・ロック・バンドの歴史が鮮やかに塗り替えられる瞬間がやってくる! ここ日本でも国民的人気を誇るワン・ダイレクションやザ・ウォンテッドの登場以降、1Dの妹分:リトル・ミックスをはじめとするガールズ・グループが現れたり、アリアナ・グランデなど新たなアイコンも登場したりと百花繚乱のポップ・シーン。また、ロック・シーンにおいてはザ・1975をはじめとするギター・バンドがポップ・ファンを魅了しチャートを席巻して各地のフェスに引っ張りだこになり、最近では1Dの楽曲を手がけるという情報も。そんな、ポップ・リスナーとロック・リスナーの垣根がかつてないほど取り払われるなかで、ポップ・アクトのファンだけでなくロック・リスナーがいまもっとも注目すべきなのが、いわゆるボーイ・バンドの概念を軽々とくつがえす新世代ポップ・ロック・バンドだ。とりわけ英国発のThe Vamps(ザ・ヴァンプス)は、移り変わりの早いポップ・ミュージック・シーンにおいて新世代らしく突き抜けた存在!
The Vampsの
ここが新世代
その1
SNSでメンバー集結&人気を獲得
2012年に、すでにプロフェッショナルなソングライター契約を結んでいたヴォーカリストのJamesがユーチューブでBradley Simpsonを“発見”、一緒に楽曲を書き始め、次にFacebookを通じ Tristan Evansが加入。最後に共通の友人を介してConnor Ballが加わった。メンバーの平均年齢が18.5歳とあってほぼデジタル・ネイティヴといえる世代らしく、その後YouTubeにアップした数々のカヴァー曲は、ザ・キラーズからブルーノ・マーズに至るまで、ツボを突いたセレクションとクオリティの高さで幅広く人気を獲得。
The Vampsの
ここが新世代
その2
ゲリラ・ライヴでハートをわしづかみ
ワン・ダイレクションの出待ちのため人の集まっていたソニースタジオ前でゲリラ・ライヴを行い、オリジナル曲“She Was The One”を路上でアコースティック披露(その時のきらきらぶりもぜひ動画を検索してチェックを!)。これをきっかけにツイッターやFacebook等SNS上での人気が急上昇する。ザ・ヴァンプスは、ライヴを見れば一発で心を揺さぶられるキラー・チューンを書けるバンドだということをこの時点で早くも証明してみせた。そのことを後に音源として明らかにしたのが、全英シングル・チャートの2位につけた“Last Night”、“Can We Dance”、3位にランクインした“Wild Heart”といった必殺曲の数々だ。
The Vampsの
ここが新世代
その3
サウンド・リファレンスが奥深い
時代に拘らず、どんな音楽も同列に吸収し自らのサウンドとして血肉化させる資質を備えているのが、今の新世代バンドの特徴(例えばロック・シーンにおいてはザ・ストライプスがその筆頭)。ザ・ヴァンプスの場合、レゲエ/スカ・テイストを取り入れサイモン&ガーファンクルを再解釈した“Oh Cecilia”や、どこかマムフォード・アンド・サンズなどを彷彿とさせるフォーキーなサウンド・プロダクションの“Wild Heart”などに顕著だ。加えて、マルーン5やファン.といったクラシックなポップ・バンドの楽曲群に通じるソウルフルなテクスチャーまでも思わせるものにしている。バンドがカヴァーしただけでなく前座を努めたテイラー・スウィフトを思い出させるようなエモーショナルなソングライティングも魅力で、ここまで雑多なサウンドを一貫したポップ・サウンドとして提示できるのは、彼ら自身がソングライティングを手がけ、楽器を演奏しているからということに尽きる。
さて、そんなザ・ヴァンプスと欧米でことあるごとに比較され、周囲からライバル同士と目されてもいるのが5 Seconds of Summer(ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー、5SOS)だ。どちらかと言えばボーイ・バンド色が強いのがザ・ヴァンプスだとするなら、パンク・サウンドを軸においているのがファイヴ・セカンズ・オブ・サマー。こちらはグリーン・デイからサム41、ブリンク182といった面々に脈々と受け継がれてきたパンク・ロックと、メインストリーム・ポップをつなぐ新世代バンドといえる。
5SOSの
ここが新世代
その1
オーストラリアから現れた超新星
ゴティエやテーム・インパラ、エンパイア・オブ・ザ・サンといった名実ともに評価の高いアクトをここ数年次々と輩出しているオーストラリアから登場した5SOS。それらのアクトとサウンドはまったく異なるが、ルーク、カラム、マイケルの3人が宅録から音源制作を開始しカヴァー動画から火が点いて国民的人気を博していったのは、ネット時代ならではの現象だといえる。しかも、英米から離れているという地理的なハンデをメンバー自身も自覚していたそうで、そのうえでスターダムを目指していたというのは、彼らの野心の象徴ともいえる。
5SOSの
ここが新世代
その2
ワン・ダイレクションの事務所が送り出す「バンド」
「オーストラリア版ワン・ダイレクション」と称されることもある5SOS。それは彼らのマネージメントがワン・ダイレクションと同じだから。すでに1Dの『テイク・ミー・ホーム』ツアーのオープニングを務めてもいる。10年代ボーイ・バンドの大筆頭にして世界的な人気者である1Dのファン層を引き込みながら、バンド・サウンドをメインストリームへ奪還するという決心があるからこそ、そうした大舞台に立てるのではないか。ワン・ダイレクションもお墨付きで、メンバーのルイ・トムリンソンが“Gotta Get Out”の動画のリンクと共にファンであることを公言している。
5SOSの
ここが新世代
その3
ロック界のヴェテラン勢が認めるポテンシャルの持ち主
ワン・ダイレクションとの縁が深い5SOSだが、「次のワン・ダイレクション」という言葉では決してくくれない。それが一発で伝わるのが、2014年3月に発表したデビュー・シングル“She Looks So Perfect”で、アルバム・デビュー前ながら世界55カ国のiTunesチャートで1位を獲得している。
続いてリリースされたシングル“Don’t Stop”は、メンバーがスーパーヒーローに扮したミュジック・ヴィデオも話題となり、6月半ばの時点で880万回を上回る再生回数を記録。この曲にも明らかだが、5SOSはブリンク182、ボーイズ・ライク・ガールズ、バステッドといった面々から影響されているという。6月30日に海外で発売されたばかりのセルフタイトルのデビュー・アルバム『5 Seconds of Summer』では、やはり自らが敬愛するグッド・シャーロットのベンジー&ジョエル・マッデン兄弟との共作曲"Amnesia"、同じく大きな影響を受けているというオール・タイム・ロウのAlex Gaskarthが共作した “Kiss Me Kiss Me”といった楽曲群も収録。早くもアリーナ規模でロックするバンドのポテンシャルが存分に引き出された、2014年大ブレイク必至のアルバムになっている。
(文=羽鳥麻美)
The Vamps(ザ・ヴァンプス)
ブラッドリー・ウィル・シンプソン(ヴォーカル)、ジェイムズ・マクヴェイ(ギター)、トリスタン・エヴァンズ(ドラムス)、コナー・ボール(ベース)によるイギリス出身の4人組。2012年、YouTubeにアップした宅録デモを介して結成され、その後ワン・ダイレクションやテイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズらのカヴァーを公式YouTubeチャンネルにて公開。2013年7月には初のオリジナル曲"Wildheart"をアップして、公開2日で46,000再生を記録した。現在、公式YouTubeチャンネルの登録者数は約50万人、ツイッターのフォロワーは45万人、Facebookでは25万「いいね!」を突破している。今年デビュー・アルバム『ミート・ザ・ヴァンプス』をリリースし、5月には初のプロモーション来日を果たした。
『MEET THE VAMPS』
ミート・ザ・ヴァンプス
2014年5月21日発売
品番:UICR-1114 | 定価:¥2,200+TAX
- 01. Wild Heart/ ワイルド・ハート
- 02. Last Night / ラスト・ナイト
- 03. Somebody To You / サムバディ・トゥ・ユー
- 04. Can We Dance / キャン・ウィ—・ダンス
- 05. Girls On Tv / ガールズ・オン・TV
- 06. Risk It All / リスク・イット・オール
- 07. Oh Cecilia (Breaking My Heart) / 愛しのセシリア(ブレイキング・マイ・ハート)
- 08. Another World / アナザー・ワールド
- 09. Move My Way / ムーヴ・マイ・ウェイ
- 10. Shout About It / シャウト・アバウト・イット
- 11. High Hopes / ハイ・ホープス
- 12. She Was The One / シー・ワズ・ザ・ワン
- 13. Dangerous / デンジャラス
- 14. Lovestruck / ラブストラック
- 15. Smile / スマイル
- [ボーナストラック]
- 16. On The Floor / オン・ザ・フロア
- 17. GOLDEN / ゴールデン
- 18. FALL / フォール
- 19. STORY OF MY LIFE / ストーリー・オブ・マイ・ライフ(ワン・ダイレクションのカヴァー)
- 20. 22 / 22(テイラー・スウィフトのカヴァー)
- 21. What About Love / ホワット・アバウト・ラヴ (オースティン・マホーンのカヴァー)
- 22. Twist And Shout / ツイスト・アンド・シャウト
5 SECONDS OF SUMMER(ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー)
2011年、オーストラリアで結成されたルーク・ヘミングス(ヴォーカル/ギター) 、マイケル・クリフォード(ギター/ボーカル) 、カラム・フッド(ベース/ヴォーカル) 、アシュトン・アーウィン(ドラム/ボーカル)による4人組。ジャスティン・ビーバーやワン・ダイレクション、ブリンク182やオール・タイム・ロウなどのカヴァー楽曲を次々とYouTubeに公開し、地元オーストラリアにて口コミで人気を博す。2013年にユニバーサルミュージック傘下のキャピトル・レコードと契約、2014年3月にデビュー・シングル『シー・ルックス・ソー・パーフェクト』を発表し世界55ヶ国のiTunesで1位を獲得した。日本では7月にデビューEP『ドント・ストップ』をリリース、今秋にはデビュー・アルバム『ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー』をリリース予定となっている。
『5 SECONDS OF SUMMER』
ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー
2014年6月30日発売
品番:3785688
- 01. SHE LOOKS SO PERFECT/ シー・ルックス・ソー・パーフェクト
- 02. DON’T STOP / ドント・ストップ
- 03. GOOD GIRLS / グッド・ガールズ
- 04. KISS ME KISS ME / キス・ミー・キス・ミー
- 05. 18 / 18
- 06. EVERYTHING I DIDN’T SAY / エヴリシング・アイ・ディドゥント・セイ
- 07. BESIDE YOU / ビサイド・ユー
- 08. END UP HERE / エンド・アップ・ヒア
- 09. LONG WAY HOME / ロング・ウェイ・ホーム
- 10. HEARTBREAK GIRL / ハートブレイク・ガール
- 11. ENGLISH LOVE AFFAIR / イングリッシュ・ラヴ・アフェア
- 12. AMNESIA / アムニージア
- 13. SOCIAL / ソーシャル・カジュアルティ
- 14. NEVER BE / ネヴァー・ビー
- 15. VOODOO DOLL / ヴードゥー・ドール
『DON'T STOP』
ドント・ストップ
2014年7月30日発売
品番:UICC-10008 | 定価:¥1,500+TAX
- 01. ドント・ストップ/ Don’t Stop
- 02. リジェクツ / Rejects
- 03. トライ・ハード / Try Hard
- 04. イフ・ユー・ドント・ノウ / If You Don’t Know
- 05. シー・ルックス・ソー・パーフェクト / She Looks So Perfect
提供:ユニバーサル ミュージック
企画・制作:RO69編集部