石破に言わせりゃテロリズム

アクトレス『ゲットーヴィル』
2014年01月01日発売
ALBUM
アクトレス ゲットーヴィル
90年代には「低音を轟かせ郊外を走るヤン車」を駆る者あたりが好むイケイケ音楽マイアミ・ベースなどを指す言葉だったベース・ミュージックというターム。最近のクラブ界隈では、より「文化的」な「ジャングル/ドラムンベース?ダブステップ以降の新しい音楽」を表すものへと変容してきた。ジャマイカ生まれのUKダブ・ポエット、リントン・クウェシ・ジョンソンが80年に発表した傑作『ベース・カルチャー』を思いだす。歴史的に虐げられてきた人種たちのリアリティ。そう考えれば考えるほど、このアクトレスことダレン・J・カニンガムこそ、それを代表する存在だと……。
 
08年のデビュー盤『ヘイジーヴィル』で注目され、デーモン・アルバーン主宰オネスト・ジョンズ・レコーズからの2作で世界的評価を得るに至った彼(トム・ヨークも注目)だが、そのオネスト・ジョンズとは、もともと70年代以降ロンドンにあった(主に黒人系)オルタナティヴ・レコード店。この新作でより顕著となった「ディープ/ドープな感触」は、今の「少数派」の立場を体現したものとも言える。それゆえ、ここまで力強く響く。(伊藤英嗣)
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