フォーク・ロック、そんな言葉がよく似合うトリオの日本デビューだ。ウェスリー・シャルツ(Vo、G)は、わずか19歳で薬物中毒で亡くなった親友の弟のジェレマイア・フレイテス(Ds、Vo)とで音楽活動を始めたが数年前にニューヨークからコロラド州デンヴァーに活動拠点を移し、そこでチェリストを募集、それにネイラ・ペカレックが応えたところから幸運な化学反応が始まりこのアルバムが全米フォーク・チャートの2位のヒット。さらにグラミー賞の最優秀新人候補にも挙げられるほどの人気者となった。
マムフォード&サンズに通じる現代感覚に裏打ちされたフォーク・テイストが全編にわたって展開されるが、バスキングのシーンが浮かんでくるような“ホー・ヘイ”があったかと思えばジェフ・バックリィの世界へしっとりと降りていくようなナンバーや伝承曲のカヴァー風があったりと、サウンドはおとなしく落ち着いているが、内面的にはいろいろと意欲的な試みがなされている。音の手触りや曲から“ネクスト・マムフォード”的な期待は高いのだが、その真価は4月のライヴで確認することができる。(大鷹俊一)
新感覚派フォークの星
ザ・ルミニアーズ『ザ・ルミニアーズ』
2013年01月16日発売
2013年01月16日発売
ALBUM