双子のデヘーザ姉妹とベンジャミン、そのトライアングルが生み出す精神性こそがスクール・オブ・セヴン・ベルズの揺るがない核だった。だからクラウディアの脱退は彼らのアイデンティティにどう作用したのか――が、当然本作の大きな聴きどころである。ブルックリンが生んだエレクトロ・シューゲイザーの草分け、SVIIBのサード・アルバム。
オブリーク・ストラテジーから発想を広げた前作同様、今作にもスピリチュアルなコンセプトがあり、それはラフェイエという少女と、彼女を取り巻く幽霊のストーリーだという。そしてアレハンドラ曰く「人は誰でも幽霊に囲まれている」。澄み切ったエレクトロニック・サウンドが重ねられていくさまは、これまで以上にマチュアでセンシュアルだ。そして、ベンジャミン=元シークレット・マシーンズというのを改めて思い出させるのが、あくまでもストイックに立ち上るサイケデリア。もはや彼らにとってシューゲイザーとは完全にサウンドを通り越し概念になったのだということを実感させられる。図らずも現インディ・エレクトロニック・ポップのトレンドとリンクしながら凌駕する野心作。(羽鳥麻美)
新生セヴン・ベルズの新境地
スクール・オブ・セヴン・ベルズ『ゴーストーリー』
2012年02月15日発売
2012年02月15日発売
ALBUM