アンフィニッシュド・ビジネスEPジャケがニュー・オーダーなのはさておき、アーティスト写真がジョイ・ディヴィジョンなのも、冒頭1曲目がインターポール!なのもさておき、20歳そこそこの青年たちがこういうダークな音楽を、あくまでポップにやってのけるとはどういうことなのだろうか。果たして確信犯なのか天然なのか、アルバムの完成とフジ・ロックでのパフォーマンスがとても気になる3人組だ。ウェスト・ロンドンで結成され、もともとはフィアー・オブ・フライングとして活動していたが、名前も音楽性も変えてこのホワイト・ライズが誕生。エコバニやティアドロップ・エクスプローズらと比較されるホワイト・ライズの音楽性は、冒頭に述べたようなキャラクターからも察せられるように、ずばり80s。とくれば自然と思い出されるのは4〜5年ほど前のNWリバイバル・バンドたちなわけだが、それらのバンドがシンセのサウンドやアート気取りのダークなテーマに固執していたのとは決定的に違う(敢えて引き合いに出すならばエディターズ?)。芯の強いギター・ワークで黒いエモーションを塗りたくる、リバイバリストとは一線を画すバンド。(羽鳥麻美)