レッチリのフリーがフランク・オーシャンのカバー披露。バンド創世記のNetflixドキュメンタリー映画も公開中。

レッチリのフリーがフランク・オーシャンのカバー披露。バンド創世記のNetflixドキュメンタリー映画も公開中。 - pic by Gus Van Santpic by Gus Van Sant

初のソロアルバム『Honora』を今週末3月27日にリリースする、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー。

レッチリのフリーがフランク・オーシャンのカバー披露。バンド創世記のNetflixドキュメンタリー映画も公開中。

今週、米トーク番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』に出演。アルバムにも収録されているフランク・オーシャンのカバー“Thinkin Bout You”のライブ披露をした。

ベースとトランペットの両方を演奏する美しいパフォーマンスだが、番組の中でこのカバーについてこう語っている。
「ポップソングを演奏するっていうのは、ジャズの伝統でもあるから、フランク・オーシャンの“Thinkin Bout You”をやることにしたんだ。だから、単なる“ポップソング”として、矮小化するするつもりじゃない。ものすごく深い曲だからね。でも、そういうアプローチで演奏するということ」

同番組でのインタビューの映像はこちら。

わずか7分ながら、フリー(63歳)節全開なのも嬉しい。

まず、アルバムのジャケットについては、彼の奥さんの母親だという。
確かにどこか奥さんに似ている。

登場早々、逆立ちで現れる元気でお茶目なフリーだが、額には傷がある。その理由も、いかにも彼らしい説明をしている。なんと、道で襲われている女性をマーシャルアーツで助けたという武勇伝。しかし、明かに作り話だとわかる。

実際には「奇妙なおしっこ事件」で負った怪我だという。Apple Musicのインタビュー収録中に、どうしてもトイレに行きたくなり、3分間の音楽を流している間に猛ダッシュで往復。その際、ガラスに突っ込んでしまったらしい。笑ってはいけないが、いかにもフリーらしいエピソードだ。

さらにこう続ける。
「でもさ、変な話、これが初めての“おしっこ事件”じゃないんだ。
というのも、俺は11歳か12歳くらいまでおねしょしてたんだよ。
そのせいで、めちゃくちゃ恥ずかしい思いもたくさんした。

カメラどれ?どれに向かって話せばいいかな?(とカメラ目線で)

テレビの前のみんなに言いたい。おねしょしてる人がいたら、俺もその1人だった。君は1人じゃない。友達の家に泊まって、人のベッドでおねしょしちゃって、目が覚めたら自分がおしっこの海の中にいる。あの感じ、俺には分かる。あの恥ずかしさも、苦しさも、自信をなくす感じも、全部わかるから。

でも、おねしょしてるみんなに言いたい。おねしょしたっていいんだ。だって見てみろ、俺は、この最高にクールな番組に出られるところまで来たんだぜ!」

その他、以下のような内容も語っている。

⚫︎ソロ作でトランペットを演奏していることについて。

「俺は、子どもの頃、トランペットをやっていたんだ。夢中だった。将来はディジー・ガレスピーみたいになりたかった。実際に子供の頃に彼に会ったこともある。抱きしめられて、彼のスーツに包まれる感じでさ。そのときのコロンの匂いとか、上等なスーツの手触りとか、優しさとか、今でも覚えてる。

だから俺の最初の楽器はトランペットだった。でも、高校に入って、ヒレル・スロヴァクっていう友達に出会って、ロックバンドでベースを弾けって言われた。それが全てを変えた。人生そのものになったんだ。それでトランペットは置いた。でも、時々思い出しては手に取って少し吹いたりすることはあった。Dave Guyにレッスンをねだったりもしたよ(笑)。

でも3年くらい前かな……ずっと頭と心の中では生き続けてたんだよ。俺にとってジャズミュージシャンっていうのは、クリフォード・ブラウンとか、ジョン・コルトレーンとか、セロニアス・モンクとか。この国が世界に与えた中で最高の贈り物なんだ。彼らは文化の基準を、とてつもなく高いところまで引き上げた。だから俺みたいな人間は、一生それに届こうともがき続けることになる。

それで数年前に決めたんだ。毎日トランペットを吹こうって。何があってもね。で、2年くらい続けた頃、アルバムを作ろうって思った。出来上がるものは、出来上がるままに任せればいいって。ゴールのためっていうより、プロセスそのものだった。学ぶっていう行為そのもの。それをやれたことが、ただただ嬉しいんだ」

⚫︎アルバムがバンドメンバーとのコラボ作であることについて。

「今夜一緒に演奏するバンドは、ドラムにDeantoni Parks、ギターにJeff Parker、ベースにAnna Butterss、そしてこのレコードのプロデューサーでもあるJosh Johnson。彼は今夜キーボードも弾く。

このアルバムは、俺の作品であると同時に、彼らの作品でもあるんだ。かなり即興の要素が多いからね。彼らは、俺がやりたかったことを現実にしてくれた。実際に顔を合わせて、“宇宙的な空間”で即興を重ねる中でね。彼らの卓越した技術と繊細さには、本当に感謝してる」

アルバムには“Traffic Lights”でトム・ヨークも参加していて、すでに音源が公開されている。

フリーが番組の中でも語っているように、その他Apple MusicやNYタイムズなどのインタビューも公開されている。

さらにフリーは、5月7日からツアーも行う予定。チケットはほぼ完売のようだ。


またバンドの方は、最近Netflixでドキュメンタリー映画『The Rise of the Red Hot Chili Peppers: Our Brother Hillel』の配信が開始した。

これはフリーとアンソニー・キーディス、ジョン・フルシアンテがインタビューに答えながら、バンドの創世記を語ったものだ。物語の中心には亡きヒレル・スロヴァクがいる。初期の写真や映像も見られる見応えのある内容だ。

ただしバンドは、この作品について、あくまでヒレルのドキュメンタリーとして協力したものであり、バンドのドキュメンタリーではないと、声明を発表している。

「約1年前、俺たちはヒレル・スロヴァクに関するドキュメンタリーのインタビューを受けて欲しいと依頼された。彼はバンドの創設メンバーであり、素晴らしいギタリストであり、俺たちの友人でもあった。俺たちはヒレルへの愛と敬意、そして彼の記憶を大切にしたいという思いから、そのインタビューを受けることにした。
しかしこのドキュメンタリーは現在、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのドキュメンタリーとして宣伝されているが、実際はそうではない。俺たちは制作面には一切関わっていないし、これまでレッド・ホット・チリ・ペッパーズの公式ドキュメンタリーを制作したこともない。

今回のNetflixの作品の中心にあるのはあくまでヒレル・スロヴァクであり、この作品をきっかけに、彼とその音楽に関心が集まることを願っている。❤️」

少し冷たく聞こえるかもしれないが、実際の内容を見ると、ヒレルへの愛は真っ直ぐ伝わってくる。

バンドの今後の活動も気になるところだが、2028年のLAオリンピックにどこかで関わることになるのだろうか?

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