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UKハウスシーンの雄ジャックス・ジョーンズとAdoのコラボレーションのもと、TVアニメ『BEYBLADE X』のエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲。まず、この楽曲の1番では初めてAdoががっつりと英語詞を歌っている。磨き上げられた音色とグルーヴがギラギラ輝きを放つトラックに乗るAdoの堂々たる歌唱は、彼女がとうに備えたそのワールドクラスの実力を正しく証明するかのようだ。一方、日本語詞に移行する2番では、Adoの「日本語に情感を込める能力」の異様な高さに改めて気づかされる。どちらも異なる質感を表出させつつ、共にいい。完全にスタジアム規模に照準を合わせたこのようなアンセムで、世界と国内のどちらもを漏らさず掬い上げるその野心と知性に、痺れてしまう。はじめは「ジャックス・ジョーンズとコラボとは!」と意外にも思えたものの、徹底したEDMマナーでクライマックスの如き盛り上がりが波状的に押し寄せる楽曲の構造とAdoの魅力とが掛け合わさり、理想的な化学反応が生じていると言っていいのではないだろうか。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年9月号より)
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