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「この声に恋をする」――透明感のあるIshidaの声に導かれて集まった彼らは、同級生でも軽音サークルの仲間でもない。思いがけない出会いが連鎖しバンドを組むことになったFirst Love is Never Returnedには「初恋のような、音楽と出会った時の初期衝動を忘れない」という意味が込められているが、その名の通り、今作『POP OUT! III』には心が躍るような自由で開放的なポップソングが揃っている。個性豊かなメンバーの音楽のルーツを取り込み唯一無二のジャンルを確立し、80〜90年代のシティポップ・R＆Bと令和のトレンドを融合させた至極のポップサウンドが大きな魅力のひとつ。歌詞にもその側面があり、今作の収録曲には《ミラーボール》《電話ボックス》《8センチのシングル》など懐かしいワードが多く出てくるので、その時代を生きていないにもかかわらずどこか懐かしい気分に浸れる。サブスクが主流のこの時代に、ラブネバの曲をあえてノイズ交じりのカセットテープの音質で聴き、ノスタルジックなひとときを過ごしたい。（伊五澤紗花）（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より）
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