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前作の1stミニアルバム『パラグラム』でメジャーデビューを果たしたVTuber緑仙。前作はR&B要素が強めなジャジーで洗練された楽曲が多くあったが、前作から1年も経たずリリースされた今作は『パラグラム』とは対照的な、真正面からロックとぶつかった全7曲のミニアルバムである。ジャケ写と同様、過去と現在、アナログとデジタルを融合させた様々なロックナンバーが収録されており、重低音が響き渡るダークでミステリアスな世界観の“独善食”から始まったかと思えば、“友達代表宣言”“しあわせクッキー”とポジティブで幸せに満ち溢れたポップな楽曲が組み込まれている。そして最後は爽快感のある王道で心地のよいど真ん中ロック“リコネクト”で締め括られており、ジャンルや年代にとらわれず幅広い音楽を吸収し、新たな気づきや自分自身の価値観の変化を楽しんでいる様子がしっかりと伝わる。VTuberの垣根を越え、日本のロックシーンに堂々と舞い降りた緑仙の今後がとても楽しみだ。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年8月号より抜粋)
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