なんて生々しく「人間」の匂いが漂う音楽だろうか。美しくも痛ましく、享楽的だが孤独で、語るべき言葉を持ちながらも、無意味さを弄んでもいる。ポップミュージックは、バンドというスタイルは、未だこれほどのイリュージョンを描き得るという、希望すら感じる。資料によれば、制作にあたりバンドは「リアリティ」の追求を指針としたようだが、結果的に本作は『FICTION』と名付けられた。その「虚」と「実」が錯綜した姿こそがまさにリアルなのだ。巻き戻すことのできない生が、取り返しのつかない夢が、ここにはある。(天野史彬)
終わるまで終わらない「生」について
BREIMEN『FICTION』
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ALBUM
なんて生々しく「人間」の匂いが漂う音楽だろうか。美しくも痛ましく、享楽的だが孤独で、語るべき言葉を持ちながらも、無意味さを弄んでもいる。ポップミュージックは、バンドというスタイルは、未だこれほどのイリュージョンを描き得るという、希望すら感じる。資料によれば、制作にあたりバンドは「リアリティ」の追求を指針としたようだが、結果的に本作は『FICTION』と名付けられた。その「虚」と「実」が錯綜した姿こそがまさにリアルなのだ。巻き戻すことのできない生が、取り返しのつかない夢が、ここにはある。(天野史彬)