アイナ・ジ・エンドのソロ名義では、初めて外部から提供を受けた楽曲。なんと、作詞作曲とプロデュースを手掛けたのは、彼女が尊敬するという岡村靖幸!まず、“私の真心”という純白なタイトルをつけながら、楽曲そのものは、しっとりと耳に絡みつくバラードというところが、まさに岡村ちゃんワールド。それをアイナが、ソウルフルな掠れ気味の歌声で、楽曲に寄り添ったリズム感で歌う。そのあまりのハマりっぷりに、勝手ながら「街角の小さなクラブで歌っている、知る人ぞ知る天才シンガー」みたいな絵を想像してしまった。「アイナ・ジ・エンド」というよりは、資料にも書いてある通り「アイナ・ジ・エンド×岡村靖幸」でしか生み出せない世界観だと思う。
彼女が没入するように歌う《誰にも奪わせないで欲しい/裸の気持ち》。恋愛や、もっと言えば色っぽさを超越した迫力を感じるが、これこそが、私たちの中にある裸の気持ちなのだと思う。岡村靖幸もアイナも、誰もが秘めている本音をポップに引き出す匠なのだ。ふたつの才能が、2022年に出会うべくして出会い、運命的な共鳴を果たした楽曲。(高橋美穂)
《裸の気持ち》を引き出す運命の共鳴
アイナ・ジ・エンド『私の真心』
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