無観客ライブが得意なアーティストもいるだろうし、配信ライブ映像を観るのが好きな人もいる。それは人それぞれで良いも悪いもない話なのだが、有観客と無観客でまったく同じマインドのままパフォーマンスすることができるアーティストとなると、やはりぐっと数は減ってしまうのではないか。オーディエンスの存在というのは、それほどまでに大きいもので、ライブの大切な一部なのである。昨年10月にZOZOマリンスタジアムで行われた
ONE OK ROCK初の無観客ライブが待望のパッケージ化(生配信の内容とは一部編集が変更されている)となるわけだが、スタジアムをいっぱいに使った視覚効果の素晴らしさもさることながら、何より印象深いのは画面越しにも肉迫してくる4人のサウンドの熱量、そして何がなんでも観る者との対話を成立させようとする姿勢だろう。だからこそ、観客席に腰掛けてのアコースティックセットによる“欲望に満ちた青年団”や、スペシャルな編成で厳かに奏でられる“C.h.a.o.s.m.y.t.h.”、新曲“Wonder”のメッセージも、直に手に取るように思いを共有させてくれるのである。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』12月号より