ONE OK ROCK、ロックバンドの勇気と覚悟が凝縮された待望の新曲“Wonder”を徹底クロスレビュー

ONE OK ROCK『Wonder』
  • ONE OK ROCK Wonder - Japanese Version

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歌われることを待っているロックアンセム

2020年10月のバンド史上初となる配信ライブ「ONE OK ROCK 2020 “Field of Wonder” at Stadium Live Streaming」(この11月には映像作品もリリース)で初披露された新曲が、1年越しに音源化された。インターネット回線の距離などものともしない、目の前のオーディエンスに掴みかからんばかりのムードで繰り広げられたライブの公演タイトルとも重なる“Wonder”という曲は、ONE OK ROCKがあのステージでどうしても人々に伝えなければならなかったメッセージの結晶である。コロナ禍の影響で『Eye of the Storm』を携えた国内ツアーの振替公演やアジアツアーが延期され、そして我々はあまりにも多くのものを失った。打ちのめされ、宙ぶらりんになったまま閉ざされた時間。そんな時に、ONE OK ROCKはこの曲を歌ったのである。漂うようなエレクトロニックサウンドを引き裂いて鳴り響く大振りなギターリフと、何かに掻き立てられるように転がり出す32ビートのドラムス。そしてその歌詞は、ささやかな愛に満ちた音楽が、ロックソングが、命を繋ぎ止めるという奇跡そのものを鷲掴みにした高らかなコーラスへと導かれてゆく。制作は、TakaとMasato(coldrain)、USのヒットメイカーであるデビッド・プラミク、そしてUKのジン・ジンことジャニー・ベネットという、“Renegades”にも参加した顔ぶれの共同クレジット。現代的なスタジアムロックのサウンドデザインによって成立したこの曲が、ZOZOマリンスタジアムから未曾有の苦難に見舞われた世界へと発信されたことは必然だったのだと思う。これこそ、取り返しのつかない喪失や痛みをありのままに引き受けてその反動から生まれた、2020年代のロックアンセムである。いつかこのコーラスが生身の声で大合唱される日を、心待ちにしよう。(小池宏和)

選ばれしロックバンドの証明

配信ライブの終盤で披露された新曲“Wonder”。サビでTakaを含めたフロント3人が振りを合わせて軽快に踊り始めたのには思わずニヤリとしてしまったが、あの瞬間はパンデミック下の張り詰めた空気がどこかへ吹き飛んでしまったことをよく覚えている。あれから1年が経ち、あらためて音源化されたこの曲を聴いてもその印象は全く同じだ。この特大スケールのロックサウンドが、1年経ってもさほど変わらないこの国の鬱屈したムードを完全に取っ払ってくれる。その理由は歌詞のメッセージもさることながら、楽曲全体の作り方や構造にあると思うのだ。まずそのスケールの大きさに比べると、曲の骨格そのものは驚くほどシンプルで明解。つまり「リフ」と「リズム」のアイデアがこの曲の柱になっており、さらに余計な音飾やフレーズの類いを極力排除することで、この独特の「抜け感」を生み出すことに成功している。海外のスタジアムバンドの曲にも似たような構造が見て取れるのだが、要するに演者のスケールのデカさをそのまま曲にトレースすると、スタジアム級のアンセムが出来上がってしまうというどこか手品のような作りなわけで、当然のことながらそんな芸当ができるバンドは、海外だろうが日本だろうが限られた数しかいない。理論や技術云々ではなく、豪快なスイングとパワーだけでバックスクリーンに球を運んでしまう――そんなメジャーの天才強打者のような佇まいが今のONE OK ROCKにはあるし、その証明がこの新曲には詰まっている。“Renegades” “Broken Heart of Gold”、そして今回の“Wonder”ではそれぞれ違ったスタイルでのロックが提示されている。彼らの進化の過程をそのまま見ているようだが、もちろんその躍進はまだまだ終わらないと思う。(徳山弘基)(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年12月号より)
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【JAPAN最新号】ONE OK ROCK、僕らが知っている最強の4人、誰も知らない素顔の4人――Netflixドキュメンタリー『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』完全レビュー - Netflixドキュメンタリー『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』Netflixで全世界独占配信中
JAPAN最新号 表紙はMAN WITH A MISSION!ONE OK ROCK/宮本浩次/SUPER BEAVER/LiSA/スピッツ/millennium parade/秋山黄色
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