マイケミのジェラルドの嫁リンジーがベーシスト（反り返ってベース弾くのがトレードマーク！）というので注目されることも多いマインドレス・セルフ・インダルジェンス。今年で結成12年だが意外にもスタジオ･アルバムは本作で４枚目。結成当初はゴス／インダストリアル・メタルな趣が強かったが、前作『ユール・レベル・トゥ・エニシング』からはエレクトロ・パンクの要素を強く出しており、最近のニュー・レイヴの流れともリンクするようなサウンドに進化している。怒りを暴発させるようなヘヴィなデジタル・ビートに奇天烈なボーカルが乗り、リスナーの脳みそ引っ掻き回すような強烈なテンションを生むサウンドは猥雑で軽薄、だけど限りなく痛快なところが本国で熱心なファンを生んでいる所以だろう。この『イフ』はボートラ含めて21曲収録、DISC２にはスリップノットのクラウン、ドイツのインダストリアルの草分けKMFDMが参加したリミックス集が付いてくる大ボリューム。日本では未だ「知る人ぞ知る」な存在だが、今年のPUNKSPRINGに出演が決定。破天荒なライブに定評のある彼ら、この機会にぜひ。（林敦子）