まごうことなきATDI新誕生
アット・ザ・ドライヴ・イン『インターアリア』
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ALBUM
なんと17年ぶりの新作! しかし、れっきとしたアット・ザ・ドライヴ・インの新作として鳴っていて、メンバー間の妥協の産物となっていないところがなによりも素晴らしいし、嬉しい。バンドは12年にツアーのため再結成したが、それ以上の活動は頓挫し、昨年より今度はジム・ウォードからキーリー・デイヴィスに交代した形で活動が再始動し、ツアーを経て今作に至っている。これまでの再結成ではオマー・ロドリゲスの音楽的境地があまりにもとてつもない領域に達していたため、どうしても青春再訪というものにしかならず、それをオマーが隠そうともしなかったところがライブは再結成以上のものにならなかった理由だろう。しかし、最初の再結成とほぼ同時期にオマーが始動させたボスニアン・レインボウズがよりコンパクトなバンド作法というものの再発見に繋がったのだろうし、ATDIとしての創作において最大のきっかけとなったはずだ。そうした意味でかつての音を再現するわけではなく、現在のメンバーの力量で、どこまでも暴発的でサイキックでソリッドなATDIを新たに作り出したことに大きな感銘を受けた。( 高見展)