《どこまで広がるCOSMIC?》(“夢とバッハとカフェインと”)、《俺は決めたんだ あのクズ共から 世界を奪い返すって》(“抱きしめたい”)といったシングル曲越しに、ロマンとサイケデリアの両極を響かせてきたThe Birthdayの9thアルバム。地軸も歪むような“24時”のミステリアスなビート感も、“バーテンダー”のスリリングな疾走感も野性と本能でドライブさせるようなクハラカズユキ(Dr)&ヒライハルキ(B)のリズム。“1977”の王道感満載のコードリフから“夜明け前”のニューウェーブ的な空間美まで、ますますその彩度と密度を増したフジイケンジのギターワークーーといったアンサンブルのさらなる深化もさることながら、今作で何より際立っているのは、《いつだって俺らは/心から爪先まで持ってかれて帰れない》(“1977”)という原点から《ノイズの中に立って/孤独を味わう》(“夜明け前”)と綴られる心象風景、《反逆のハートはここだ》(“月の上のイライザ”)というイノセンスまで、チバユウスケ(Vo・G)の世界観がより濃密な物語性を持って脈動していることだ。最高。(高橋智樹)