サンタナほどコンスタントにアルバムを出し続け、そのいずれもが一定以上のクオリティの作品となっているヴェテラン・バンドはほかにいない。本作も例外じゃない。前作からわずか2年というハイペースだ。かれこれ24枚目の作品なのに『Ⅳ』というタイトルがついているのは、1971年発表の『Ⅲ』の主要メンバーであるカルロス・サンタナ、マイケル・シュリーヴ、グレッグ・ローリー、マイケル・カラベロ、そしてニール・ショーンが45年ぶりに集結して作られたアルバムだからだ。
69年のウッドストックでの大熱演が圧倒的だった初期の黄金メンバーと、弱冠17歳で抜擢されたニールの合体。その結果がサンタナ史上もっともイケイケなダンス・アルバム『Ⅲ』だった。さすがにその頃のような若さ剥き出しのパワフルなラテン・ロックというわけにはいかないが、歳をとったからといって決して枯れたり淡泊になったりしないのがこの人達のいいところ。下世話なラテン歌謡色を忘れず、大衆の欲望のツボを押さえたような濃厚でエネルギッシュなサンタナ節がたっぷり聴けるのが嬉しい。カルロスとニールのギター合戦も楽しいぞ。(小野島大)
カルロス御大の若々しさは異常
サンタナ『サンタナⅣ』
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