前作でマーク・ロンソンをプロデューサーに迎え、原点回帰とも評された傑作をすでに発表していたデュラン・デュランだが、今作は2015年の「今」を絶妙に落とし込んだ仕上がりになった。マーク・ロンソンの他、ナイル・ロジャースも参加している。これまたダフト・パンク『ランダム・アクセス・メモリーズ』以降の重要作と呼ぶべきアルバムで、『RAM』の蒔いた種はどれだけ遠くまで花を開かせたのかという感じ。加えて、80年代にすでにナイルとデュランがタッグを組んでいたことを思うとシーンのそうした動きとの関連性に感じ入ってしまう。先行発表された楽曲のうち“プレッシャー・オフ”こそ、初めてデュランを聴いた若者も驚くような先鋭性を備えているが、それ以外の楽曲はさすがとしか言いようのない普遍のシンセ・クラシックである。そういう意味ではジョルジオ・モロダーの新作を引っ張りだして一緒に聴きたくなる。それにしても、ミューのヨーナスにリンジー・ローハンまで召喚、ロック・リスナー的にも「これだよこれ!」と言いたくなるジョン・フルシアンテの変態ギターが炸裂する(“バタフライ・ガール”)ポップ・アルバムなんて他に存在しようがないだろう。(羽鳥麻美)