ブラーのロッキング・オン取り下ろしインタビューで、相手がグレアム・コクソンというのは相当久しぶりなことだ。
そして久しぶりのグレアムだからこそ、ブラー再始動の原動力について、新作『ザ・バラード・オブ・ダーレン』の制作の裏側について、そしてデーモン、グレアム、アレックス、デイヴの複雑にして深い絆について、貴重な話が聞けたんじゃないかと思う。
今回のブラーのサマーソニックは、グレアムにとって初めてのサマソニでもあった。前回のヘッドライナー(2003年)は、彼が脱退していた時期だからだ。ところが、「僕、20年前にも出てたらしいんだけど」と彼が不可解なことを言い出すので、「20年前はあなた、ブラーにいませんでしたよね?」と確認したところ、「一つ前の取材で『20年ぶりのサマソニですね!』って言われたんだよ。だからもしかしたら出てたのかなって……」とのこと。グレアムが相変わらずグレアムしててほっこり&しみじみしてしまったひと時だった。
インタビュー中の彼はポツポツ話し始めると転がって止まらなくなるタイプで、「……ごめん、質問はなんだっけ」、「……ごめん、これで質問の答えになってる?」と、何度も確認してくるその様もまた、どこまでもグレアム・コクソンなのだった。(粉川しの)
ブラーのインタビューが掲載されるロッキング・オン11月号