【今月の気になるあいつ】cowboy
フロントマン兼プロデューサーのスタンリー・パウエルを中心にポーツマスで結成されたアートロックバンド。卓越したギタープレイとマスロックをベースにポストパンクからエレクトロニカ、ジャズまで様々な要素を織り交ぜた実験的なサウンドが特徴。音源リリース前から即興性に溢れたライブが話題を呼び、2022年にシングル“Gmaps”でデビュー。翌年には5曲入りのEP『Epic The Movie』をリリースし、さらに注目を集めた。現在発売中のロッキング・オン12月号では、「気になるあいつ」にてcowboyyを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
オアシス25年再結成ツアーのチケット争奪戦の凄まじさ&影響のデカさを目の当たりにして、イギリス人はつくづくギターバンドが好きだな!と感じた。と同時に、オアシス原体験世代だけではなく、Z世代も盛り上がっているのが印象的だった。彼らの場合、親の影響でオアシス好きになった面もあるだろう。
が、そこには過去数年のカリスマ的な新波――アイドルズ、フォンテインズD.C.、ウェット・レッグ、ザ・ラスト・ディナー・パーティーらの台頭も少なからず作用している気がする。00年代終わりから10年代前半にかけて業界やメディアは「英インディ/オルタナ冬の時代」を嘆いたものだが、サイクルは再び「バンドはかっこいい」に戻っているようだ。
その潮流の貢献要因として、DIYシーンの活気が挙がる。重要なハブのひとつ=ウィンドミルを象徴とする南ロンドン圏が17年頃から、俗に言う「ポストブレグジット勢」(ブラック・ミディ、BC、NR他)の揺りかごになったのはよく知られている。しかし本稿でご紹介するcowboyyには次なるフェーズ、つまり「ポストパンデミック勢」のヴァイブを感じてワクワクしてしまう。
――と、やたら長い枕になってしまってすみません。でも、彼らの曲“Algorithmic”の歌詞の一節、《ダサかっこいいのを狙ったマレットヘアのお洒落連中が多過ぎて、ここじゃまともに息もできない/あ、言っとくけど俺、ブラック・ミディのパクりでもなんでもないからね》を耳にした時は、思わずププッと噴き出してしまうくらい痛快だった。(以下、本誌記事へ続く)
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