ロックを禁断の領域へ導いたドアーズ――ジム・モリソンが謎の死の直前に遺した言葉を軸に、バンドの全貌に迫る究極ドキュメント!

ロックを禁断の領域へ導いたドアーズ――ジム・モリソンが謎の死の直前に遺した言葉を軸に、バンドの全貌に迫る究極ドキュメント!

現在発売中のロッキング・オン12月号では、ドアーズのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「世の中には既知のことと未知の事があり、その狭間にいるのがドアーズなんだ」(ジム・モリソン)


1970年が71年へと変わる頃、びっしり分厚い顎髭を生やしたジム・モリソンは、ロサンゼルス・フリープレスの記者と昼食を摂っていた。会話の話題は多岐に及んだ。その少し前にジムが巻き込まれ未解決の状態だった法的トラブルについて、彼の新しい映画のプロジェクトについて、間もなくレコーディングに入ろうとしていたアルバム――後の『L.A. ウーマン』――のブルージーな方向性について、そして勿論、バンドそのものについてもジム・モリソン、ドアーズを別格の存在にした自らの才能を語る。

「ドアーズの音楽とか考え方は、時代に凄く合っていたと思うんだ」。ヘミングウェイを思わせる風貌のシンガーは思慮深げに語る。「今から見ると無邪気なもんだと思えるけど、ほんの数年前まで、世の人々は随分イカれたものに凝ってたからね。エナジーレベルがむやみに高まっていて、腹の中では半分も信じてないようなことだって平気で口にできたんだ。俺たちは恐らく、パフォーマーであることに対して臆面もなく高い自意識を打ち出してきた最初のグループの一つで、活動を展開していく中でそのことが俺たちのキャリアにも反映されていったんだ」

彼の喋りのトーンは何とも奇妙かつ独特なものがあった。ドアーズ――当時まだ現役で活動していたグループ――について、過去形で述べるのみならず、ある意味その上を行っている。彼の態度はまるで、自分のバンドをひとつの非凡な社会現象として、それももう既にその盛りを過ぎてしまったものとして、大衆文化の屋根裏部屋にしまい込もうとしているかのようだ。そして、あたかも過去と未来両方において、自らに批判的な人々を武装解除させようとするかのように、彼は続けた。

「思うに、曲を書くとか歌うとかいう以上に、俺の持って生まれた一番の才能というのは、セルフイメージのプロパガンダのコツを本能的に把握していたってところじゃないかな。俺はちょっとした、例えば“エロティックな政治”みたいなちょっとしたフレーズで、パブリシティをコントロールするのが得意だったんだ。子供の頃からTVや大衆向け雑誌にどっぷりで育ったから、世の人々がどんなものに食いつくかっていうのを本能的に心得てるんだ。だからああやって、小さな宝石をそこにもここにも落としてきたわけで――勿論、一見したところではまるで意図なんかないかのようにね――」
(以下、本誌記事へ続く)



ドアーズの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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