「現代最硬」ロックを2024年2月7日、TOKYO DOME CITY HALLにて目撃した!!
6年ぶりとなるクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのステージは完璧なまでにハードコアな姿勢に貫かれ、甘味ゼロながら、ライブ後には奥底から優美な快感がわき起こるものだった。他プロジェクト、プロデュースもさかんなリーダー、ジョシュ・ホーミの性格か定刻19:00きっかりにスタンダード曲“スマイル”が流れメンバー登場、1曲目に四半世紀前のファーストアルバムのオープナー“レギュラー・ジョン”が炸裂し一気に会場が爆発、息つく間もなく人気の“ノー・ワン・ノウズ”が続きパンパンに詰まったスタンディングアリーナがモッシュの海となる。
前回来日時も濃密さに驚かされたが、「新次元に到達」と23年7月号レビューで書いた新作『イン・タイムズ・ニュー・ロマン…』の“オブシナリー” “タイム&プレイス” “カーナヴォイヤー”が並ぶ流れあたりでは練度/密度を増した魅力を存分に振りまき、観客のグルーヴも上がっていく。そんな中“ザ・ウェイ・ユー・ユーズド・トゥー・ドゥー”に入るところでバスドラムがトラブルでやり直しとなり、普通だとテンションが下がるところだが、百戦錬磨の彼らだけに逆にそこから気合が入り直した感もあるほどで、ヘヴィなギターサウンド、ベース&ドラムスの音圧が身体を押し込んでくる。
グループの大きな魅力はジョシュとトロイ・ヴァン・リューウェン、ディーン・フェルティータによるギターワークだ(ディーンはキーボードも)。ソロを取ったりツインリード、トリプルリードと柔軟に変化し、それを強靭なサウンドへと変換し背景にロック史の名バンドたちの影も浮かび、マイケル・シューマン(B)、ジョン・セオドア(Dr)のリズムが土台をうねらせる。
アンコールは人気の“シック、シック、シック”から“ゴー・ウィズ・ザ・フロウ”“ア・ソング・フォー・ザ・デッド”と締めくくられ、このとき自分は本編と違う場所へ移動したが、そこでは聞こえ方が全く違い、本編はぶっとい音圧に全身が揺すられていたのに、後の場所では切れ味鋭い音の刃で切り刻まれるかのようで、これもまたスリリングな体験となった。 (大鷹俊一)
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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