rockin'on 2023年1月号 中面今、最も輝いているポップスターのひとりがハリー・スタイルズであることに異論はないだろう。特に2022年の彼の勢いは凄まじく、あらゆる数字がハリーの無双状態を証明している。最新アルバム『ハリーズ・ハウス』は全米＆全英初登場1位、彼のソロ作で最多セールスを更新し、シングル“アズ・イット・ワズ”はビルボード15週1位というとんでもない記録と共に、文字通り今年最も聴かれたポップソングとなった。
セールス面だけではない。『ハリーズ・ハウス』はファンからもクリティックからも高い評価を集め、ハリーにまつわる「ボーイズバンド出身」という偏見はもはや完全に払拭された。彼は名実共に時代を背負って立つスターになったのだ。
そして2023年、ハリー・スタイルズがついに日本にやってくる！
前回来日が2018年だから、実に5年ぶりの来日公演だ。今回の「Love On Tour」は『ハリーズ・ハウス』と前作『ファイン・ライン』の両方をフォローしたワールドツアーで、2021年9月から既に始まっている同ツアーのチケットはもちろん世界中で即日ソールドアウト。来年3月の有明アリーナ2デイズがいかに貴重な機会であるかご理解いただけるはずだ。「Love On Tour」は最高のエンターテイメントショウであると同時に、正統派バンドセットの側面も持ち合わせたユニークな内容になっている。
彼のライブはエレクトロポップ、ソウル、ファンク、フォーク、インディーロック……とあらゆるジャンルを一人で体現する多面体のアーティストに成長したハリーの唯一無二性を象徴するものであり、その真価はコーチェラ・フェスティバルでの圧巻のヘッドライナーステージでも証明済だ。メインストリームからオルタナティブまで一気に手中に収めたハリーの包括性は、ウルフ・アリスやミツキ、ウェット・レッグetc.、積極的に女性アーティストを登用した各国サポートアクトの顔触れにも明らかで、今のところサポート未定のアジアツアーにも期待したいところ。
ハリーを目撃することは、ポップの今を体感することに他ならない。そのチャンスを絶対に逃さないで！ （粉川しの）
ハリー・スタイルズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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