ナタリー・ポートマン他今年のオスカーは女優が激戦かも?@TIFFその6
2010.09.16 00:05
『BLACK SWAN』におけるナタリー・ポートマンの演技が激賛されているが、今年のオスカーは女優枠が激戦になるかもしれない。この夏公開された数少ない優れた作品の中でも、例えば、"THE KIDS ARE ALL RIGHT"で、レズビアン・カップルを演じたジュリアン・ムーアとアネット・ベニングの演技が素晴らしかったし、"WINTER'S BONE"のJennifer Lawrenceが、ブレイクスルーの演技をみせた。
そして今日試写を観ることになっているジョン・キャメロン・ミッチェル監督の”Rabbit Hole"の主演ニコール・キッドマンの演技が凄まじいらしいし、ライアン・ゴスリングと壊れていく夫婦を演じた”BLUE VALENTINE" でのミッシェル・ウィリアムスも素晴らしかった。いつも、イギリスの演技派で埋まっていくオスカーの女優枠だが、今年はもう少し華やぎそうだ。
『BLACK SWAN』の会見で監督が語っていたことが興味深かったのだが、例えば「『レスラー』の成功の後でも、資金繰りはまったく容易ではなくて、何度も撮影を中断しなくてはならなかった」ということ。だから「俳優にはすごく迷惑をかけた」と。とりわけ、バレリーナ役を演じたナタリー・ポートマンは人参しか食べられないようなダイエットを続けなくなくてはいけなくて、申しわけなかった、と言っていた。それは、彼が常にリスクのあるテーマや作品を語ろうとしているという証拠でもあり、だからこそ経済不況にもろ打撃を受けることになったのだ。しかしどうしても作らなくてはならない作品は、どうやったって作られる。監督がナタリー・ポートマンにこの作品の企画を話したのは、2002年のことだったそうだから、8年がかりで制作された作品だ。映画界では珍しくない話かもしれないが。