脳内ダーティー・プロジェクターズ

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来日間近のダーティー・プロジェクターズですが、昨日と先週、2回にわたって変則的なライブがNYで披露された。先週は、リンカーン・センター内で、後ろにマンハッタンの夜景が広がるムーディー(笑)な会場。普段は、ジャズなんかに使われるらしいが、そこで、”THE GETTY ADDRESS”が披露された。この作品は、Davidがドン・ヘンリーをテーマに書いた彼曰く”グリッチ・オペラ”。しかし、この日はそれを、ダーティー・プロジェクターズのメンバーも合わせて計20人くらいのオーケストラ用にアレンジして、演奏された。


昨日行なわれたのは、これまたリンカーン・センターで、会場に入った途端、うっ、いつもと畑が違う、という空気が広がっていた。名門音楽学校ジュリアード音楽院の隣でもあり、教授や若きクラッシック奏者などが結集した感じだったのだ。イギリスや、スイスなどのコンポーザーによる曲に交じり、Davidはそこで、7週間前くらいに書き下ろしたという短いクラッシックのピースを3曲紹介した。演奏したのは彼自身ではなくて、コンテンポラリー・ミュージックを演奏することを目的としているBang on a Canという集団。クラリネット、ギター、パーカッション、ピアノ、チェロ、バイオリンというメンツ。


この曲について説明した彼は、最近はこういうクラッシック的な曲を書かなくなったと。それはバンドを始めたら、そこでバンド・メンバーとのコラボレーションがいかに素晴らしいのかということに気付いたからと。なぜなら、譜面は絶対に返事をしてくれないから、と言っていたのが印象的だった。


このふたつのライブは、改めて、最新作の『ビッテ・オルカ』のピンポイントできない、というかほとんど解読不可能な彼の音楽的バックグラウンドの一部を知る貴重な体験となった供に、それでも、『ビッテ・オルカ』が彼の中で、どれだけポップな作品だったのか、ということを実感するライブともなった。さらに、彼が、ロックにも、ポップにも、クラッシックにも、エクスペリメンタルにも、どこの世界に行っても、そこに所属しきれないアーティストだということも。


先週のイベントでは、彼が”THE GETTY ADDRESS"を作った時に、ドン・ヘンリー宛に書いた手紙のコピーまで配布された。そこには、自己紹介から、ドン・ヘンリーがいかに彼にとって重要な存在なのか、そしてこの作品を作った意味などが、大学生の論文のようにびっしりと熱く愛情一杯に書かれていて感動した。日付は2005年1月3日になっている。しっかり保管してあるところがまた素敵だ。


幸運にもまだチケットがあるなら、貴重な来日公演絶対に絶対にお見逃しなく!
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