さすがジャック・ホワイト。コロナ禍でじっとしていたと思ったら、始動した瞬間に普通の人の5倍くらいの勢いで動き出した。
なんとアルバム発売日でもありツアーの初日のデトロイトのステージ上でプロポーズしてそのまま結婚式を行ったのだ。しかもその日は、ジャックが応援するデトロイトの野球チームの開幕戦でもありそこで国家もギター演奏。ジャックはもともとインタビューしていても、同時に3つくらいのことを考えているようにしか見えないタイプの人なんだが、コロナ禍に生まれ変わったと言っていたけど、全速力で始動してる(笑)。
整理すると、4月8日に、以下のことを行った。
1。4年ぶりソロとしては4作目の新作『Fear of The Dawn』が発売。
2。デトロイト・タイガースの開幕戦で、国歌を歌わずスライド・ギターのみで演奏。
ジャックは以前から大の野球好きで、ツアーの日程と野球のスケジュールを可能な限り合わせていると言っていたけど、この日は、開幕戦の日にアルバムも発売され、ツアーもこの日にデトロイトから開始。演奏し終わった後のジャックの見たこともないような誇らし気な顔に注目してみて(笑)。
これはジャックとお母さん。
ちなみにタイガースは5対4で勝利。めでたい。
3。4年ぶりのソロ・ツアー”The Supply Chain Issues” ツアーがデトロイトのMasonic Temple Theatreで開始。
ちなみに、このビルは、アメリカの国家歴史登録財に指定されていたにも関わらず、2013年に郡の負債で差し押さえとなっていた。そのため、ジャック・ホワイトが、142,000ドルを支払い救済したことでも有名。彼の母が仕事なくて困っている時に仕事をくれた場所だったので、助けたかったということだ。故郷思いにして親孝行。私もホワイト・ストライプスのライブを観たことがある。その中のScottish Rite Cathedral は、ジャック・ホワイト・シアターと名付けられた。
4。そして、そのライブの本編の最後に、”Hotel Yorba”が演奏され、「Let’s Get Married」の歌詞の前で曲が停止。ジャックが舞台横に行き、アシスタントに携帯で映像を撮るようにお願い。なんとジャックが、パートナーでミシガン出身のミュージシャンであるオリビア・ジーンにプロポーズしたのだ!「結婚してくれますか?」と、彼女が「イエス」と答えると、ジャックはそのままカジュアルに完璧に「Let’s Get Married」という歌詞を歌い出したそう。会場大喝采だったとデトロイトの新聞が報じている。彼女はその曲を一緒に演奏していたが、そんなことになるとは全く知らなかったそうだ。
ジャックはその曲が終わると、婚約者を抱えてステージを去った後に、再び戻ってきて、「今日は最高の日だ。今日結婚するというのはどうだろう?」と言って、ジャックのお母さんと、バンドメイト、ジーンのお父さんとステージに上がり、その場で結婚式が行われた。プリンスの”Let’s Go Crazy”の歌詞”Dearly beloved, we are gathered here today to get through this thing caled life”が引用されたそうだ。
ジャックはこの日、”We’re Going to Be Friends”を母に捧げ、”Ball and Biscuit”をメグ・ホワイトに捧げて演奏したということ。
結婚した直後のアンコールは、”Steady as She Goes”で、歌い出しは、「女の子を見つけて落ち着く」なので、完璧。最後は、「アイ・ラブ・ユー、デトロイト」と言って、”Seven Nation Army”で締め括った。
おめでとうございます!
ちなみに、この最新作についてジャックにインタビューした日の朝に、今年7月22日に発売されるもう1枚のアルバム『Entering Heaven Alive』の音源が送られてきて、インタビュー直前だったので、1回しか聴けなかったけど、愛という言葉が耳に飛び込んできたので、愛がテーマなのでは、と思ったのだが、やはり結婚を考えていたからだったのではないだろうか? ジャックはちょっと違う答えをしていたけど。
ジャックはこの後6月まで全米ツアー。そのまま6月半ばからヨーロッパツアーで、7月20日にパリでライブを終えた後に、7月30日にフジロック出演。8月13日から再び全米ツアーに戻る予定だ。
こちらが、ツアーマーチ。
ジャック・ホワイトの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。