トランプ支持を表明し、彼のキャンペーン用のキャップをかぶり、奴隷制度について言及。ホワイトハウスにまで行き、世界で大論争を巻き起こしたカニエ・ウェストだが、今日突然、「政治とは距離を置き、クリエティブなことに完全に専念する」とツイート........良かったです(笑)。
しかし、どこまでも果てしなくカニエ・ウェスト的である。
ツイートを全部読むと、どうやら、昨日私がブログにも書いた民主党から脱出しようという訴える組織のTシャツやキャップのロゴを「デザインした」と伝えられたことが、この突然の決意につながったようだ。
「俺は、Candanceにロゴをデザインした人を紹介してあげただけだ。彼らが、名前を表に出さないでくれと言ったので、彼女は俺の名前を勝手に使った。俺は、Blexitとは何の関係も持ちたくなかった。俺には何の関係もない」とツイートしている。
ただ人が混乱するのも当然だ。彼はCandace Owensを支持していたし、彼女とTMZに出演していたし、共和党であるトランプのキャップをかぶり、トランプを支持していたわけだから。それに、黒人だからと言って、民主党支持者でなくてもよいはずだとも発言していた。
トランプもこの集会Turning Point USA, The Young Black Leaders Summitに出席し、黒人の若者を前にカニエに感謝の意を述べている。
「彼は私をハグしてくれたし、”Make America Great Again”のキャップをかぶってくれたし、そのキャップをかぶるとスーパーマンになった気分になった、とまで言ってくれた。彼は理解してくれている。そして彼はとても特別な人だ。彼は政治界で最もパワフルな人とすら言えるかもしれない」
「私が”アメリカ・ファースト”と言うと、それは人種差別だと言う人がいる。人種差別なわけがない。だって、君達はアメリカに住んでいるわけだよね。だから人種差別なわけがない。同意してくれるよね」
トランプは、白人至上主義者達が集会をした際、それを批判することもなく、両サイドに良い人がいる、と発言している。
カニエはツイートで、
「今俺の目はしっかりと開いた。そして俺の信じていないメッセージを広めるために使われたことに気付いた。だから、政治とは距離を置き、クリエイティブなことに完全に専念する!!!」とコメント。
こちらとして、最初からそうして欲しかったわけだが......。さすがホワイトハウスにまで行った人なので、CNN始め、ニュースメディアも一斉にカニエの突然の心変わりを報じている。
また、カニエは、トランプの政策とは相反することも支援するとツイートしている。例えば、「俺は、亡命を求める人への愛と同情心を信じる。暴力と戦争から子供達を守ろうとする親への愛と同情心を信じる」。トランプは、亡命者達に軍隊を送るような人だし、国境を超えた親子を引き離している。
カニエがトランプを支持すると言った時、それがいかに彼の政策とは関係なく、トランプという概念に対してのものだったのか、というのがこの発言からは分かるが、それはカニエらしくある、と片付けるには、あまりに無責任だったと思う。トランプの政策に日々心を痛める人達にとっては、またそれでいてカニエのファンだった人達にとっては、いたたまれない迷惑な発言だった。笑って済まされるようなものではないと思う。
これと関係しているのかどうかは分からないが、カニエのYeezyの価値がとうとう下がったというデータも最近発表されている。『Ye』の中には、カニエが奴隷制度について発言した時、妻のキム・カーダシアンが「これですべてを失ってしまう」と泣き叫んだという歌詞がある。突然政治と距離を置くと発言した理由には、彼らが築き上げたビジネスにも関係しているのかもしれない、という読みもある。
カニエの最新作『Ye』は、カニエの作品の中では最も評判の悪かったアルバムだ。本人もリハビリ作のようなものだと言っていた。これから出る作品に期待したい。