アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ

アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ - All pics by AKEMI NAKAMURAAll pics by AKEMI NAKAMURA
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
日本でもフェス・シーズンのまっただ中だと思うけど、NYでもコーチェラ・フェスの主催者がNYで始めた「パノラマ」というフェスが開催された。
http://www.panorama.nyc/

7月22日のヘッドライナーはアーケイド・ファイアで、その他FKAツイッグス、アラバマ・シェイクス、メジャー・レイザーなどが出演した。どのバンドも濃厚でハイレベルなライブを繰り広げ、ステージはまだ3つしかないけど、初日から感動の連続となった。アメリカでは前日の7月21日、共和党全国大会でドナルド・トランプが大統領候補として1時間ほどのスピーチをしたばかり。世界が狂っていると思えるような時、アーティストは狂ったくらい素晴らしいライブを行うのだと今日改めて実感した。

1)アーケイド・ファイア:なんと! ボウイの追悼を行った! 最初は、「彼にはデビュー当時からNYでお世話になったし、彼がいなくなって毎日寂しい」と言って、最新作の中でボウイと共演した“リフレクター”を歌った。その後「僕らが死んだら魂はどこへ行ってしまうのか?」と歌う“アフター・ライフ”へと続き、どう見てもウィン・バトラーが泣いているように見えた(涙)。

そして最後に、“ウェイク・アップ”を演奏した後、再びボウイに追悼の言葉を贈り、なんと今度は、同日の早い時間帯に出演したプリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドと共に観客席に降りて、練り歩いたのだ(涙)。彼らはボウイが亡くなった時も、ニューオーリンズで同じことをしている。スクリーンに映った彼らが観客の中を練り歩く映像は、これまで何度となく見てきたフェスの中でも最も美しい光景だったように思う。練り歩きながら、“ヒーローズ”、“サフラゲット・シティ”、“愛しき反抗”などを演奏した。その映像のいくつかはこちら。
http://pitchfork.com/news/67013-arcade-fire-lead-david-bowie-parade-through-festival-crowd-watch/

https://twitter.com/NadiaNeophytou/status/756700253437526016

https://youtu.be/mjNSqCSfi10

https://youtu.be/x00fTy3ua90

さらにウィン・バトラーは、「ドナルド・トランプはアメリカの大統領になんて絶対に絶対にしない!」「ファック!」と怒りを示し、「だからこそ僕らはみんなで、団結しなくてはいけない」と語った。

アーケイド・ファイアは今回ヘッドライナーだが、新作が出たばかりのタイミングではなかったので、どんなライブになるんだろうと思っていたけど、すべての曲が今の混乱した瞬間のためにあったように聴こえ、すべてを歴史的な瞬間に変えてくれた。

2)ブロークン・ソーシャル・シーン:早い時間帯に出演したが、「世界が混乱しているから、僕らは思いきり政治的でエモーショナルな曲を時間の許す限り演奏するから」と非常にタイトな演奏を次々に聴かせてくれた。最後には、「その恐怖を吐き出すんだ」と言って、観客が最大限の声で叫ぶという美しくも感動的な光景が広がった。

3)FKAツイッグス:パフォーマンス全体のアーティスティックなレベルと、そのダンスのセクシーさが究極でかっこ良すぎる。スピリチュアルな意味でも、ダンスも、物語性も、そしてサウンドも、様々な影響が混じり合っていて、どこに影響があるのか一言では言えないところも新しいと思う。
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ

4)アラバマ・シェイクス、メジャー・レイザー:彼らのこれまでやって来たことの究極版のパフォーマンスで圧巻。様々な音楽が最高のレベルで入り交じるフェスの醍醐味を見せてくれた。
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ

5)リンジー・スターリング:これまで観たことがなかったのだけど、バレエを踊りながらバイオリンを弾いていた。びっくり。ダンサーまで連れている瞬間もあったし、映像も凝っていた。すべてを体で表現したいというエネルギーに溢れていた。
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ

6)びっくりしたと言えば、日本にはもうありそうだけど、トイレが普通の水洗トイレでびっくり。なんとクーラーもきいていた。フェスにおけるトイレは、フェスに行きたいかどうかを決めるくらい大事だと思うので感動した。

2日目の7月23日は、ケンドリック・ラマーがヘッドライナー。この分で行くと歴史的なパフォーマンスになるような気がする。
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
アーケイド・ファイアNYフェスでボウイを追悼し、観客の中を練り歩く(涙)。「トランプは絶対にアメリカの大統領なんかにならない!」と叫ぶ
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする