ツアーもいよいよ終盤。the HIATUS、新木場STUDIO COAST2デイズ初日。
最高の芸術であり、観客ひとりひとりとの最高のコミュニケーション。それが今日体験したthe HIATUSの音楽だった。なんて生々しく、命懸けで、そして美しいんだろう！ 感動で胸がいっぱいだ。

凄腕のミュージシャンが集ったバンドであり、ひとりひとりのプロ意識もプレイヤビリティもずば抜けている。しかも紡ぎだす音楽は隅々まで繊細に練られ組み立てられ、ダイナミックであると同時に洗練されている。
なのに、the HIATUSのロックは決して「大人のロック」にならない。たとえアコースティック・サウンドで静謐さすら秘めた美しい音楽を鳴らしたとしても、だ。
彼らの音楽には「少年」が少年のまま、有り得ない強度に成熟してしまったみたいな手触りがある。だからこそこんなに豊潤でありながら、あまりにピュアに素直さと正義感とエモーションが爆発する唯一無二の音楽を生み出せるんじゃないか。
大人のように一般論を振りかざすのではなく、無垢な子供が目を見て一対一で必死に話かけてくるような親密さと温かさがthe HIATUSの音楽には宿っていて、それはたまらなく幸福な音楽だと思った。(福島)