今、大注目のロックバンド・バチカン市国に愛されたいのライブにあったのは、「凄まじい気迫」と「剥き出しの愛」

今、大注目のロックバンド・バチカン市国に愛されたいのライブにあったのは、「凄まじい気迫」と「剥き出しの愛」
ロックバンドに必要なものって、なんだろうか?ノイズ。反骨精神。衝動。そして、そのすべてを音に変えて、目の前の人間に叩きつける気迫。渋谷WWWのステージに立つ4人組ロックバンド・バチカン市国に愛されたいには、その全部があった。爛れた愛を歌う言葉が容赦なく突き刺さり、焦燥に駆られるドラムと骨太なベースが地面を揺らし、鼓膜をつんざくギターノイズがその上を切り裂いていく。その真ん中から、虎太郎が歌をこちらの胸ぐらにぶち込んでくる。巧いとか激しいとか、そんな形容より先に、「こいつら、本気だ」と身体にわからされるようなライブだった。ロックを歌うために生まれてきたんじゃないか、と思うほど美しく煤けた響きを持った虎太郎の声を聴いていると、言葉の意味を理解するより先に、そこに込められた感情そのものが飛んでくる。その中で、新曲“しあわせの定義”はまた違った響きを持っていた。激しい言葉で殴りつけるのではなく、切実な言葉と歌そのものでこちらの心を掴んでいく。虎太郎のソングライティングの芯が露わになるようなこの曲が、すごくよかった。アンコールでは、虎太郎がアコギ一本で客席からのリクエストに応える。ラブコールが飛び交った“オレの歌だけ聴いていけ!!”──ところが歌詞が飛び、悠晟と琉七を呼び込み、3人で歌うというひと幕も。最後に両親への感謝を込めて届けた“おんがえし”も、ライブ中何度も繰り返された客席への感謝も。剥き出しの焦燥や衝動を鳴らしているのに、その中心にはずっと、人への愛がある。剥き出しのロックと剥き出しの愛が何ひとつ矛盾せず同居している──そんな次世代のロックバンドの姿に包まれて、ライブが終わったあとには胸がいっぱいになっていた。ライブ直後の8月22日にはEP『しあわせの定義』をリリースし、11月には2ndワンマンツアー「ぼくらのしあわせの定義」を開催。JAPANとしても、これは早く取材せねば、と思っているので続報をお待ちください!(畑雄介)
【特集】バチカン市国に愛されたい──無垢で鋭利で、だからこそリアルな、ロックの無限の可能性そのもの。ロック新時代への扉をこじ開けた10代バンドの「今」に迫る!
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