CLAN QUEENは満員のZepp Yokohamaに「自分らしさ」の進化と真価を爆発させていた

CLAN QUEENは満員のZepp Yokohamaに「自分らしさ」の進化と真価を爆発させていた
最後の“PSIREN”のフィードバックノイズが途切れたあとに残ったのは、「とんでもなくすごいものを観た」という衝撃と「自分らしさってなんだろう」という根源的な問い。その重さがじわじわと体に沈み込んで、茫然と立ち尽くしてしまった。

昨年末には渋谷WWWでワンマンをやっていたCLAN QUEENは、わずか半年でKT Zepp Yokohamaをソールドアウト。圧倒的な照明のスペクタクルの中で見せたのは、「ショー」とも「アトラクション」とも形容できそうで、でも決して作り物なんかじゃない生きたライブだった。

アルバム『NEBULA』が描く「自分らしさ」の物語を軸にしたコンセプチュアルなセットリストでありながら、ステージから溢れ出していたのは3人の「個」そのもの。マイはグルーヴの濃淡がより豊かになったベースで熱狂に潜む切なさを表現していたし、yowaは“天使と悪魔”のアカペラでも“自白”の叫びでも曲の語り部を超えて感情を解き放っていた。AOiはMCで自分自身の「空っぽ」について語っていたけれど、同じように「空っぽ」を抱えた僕らの心に何度だって音楽という名の希望を差し出してくれるのが、CLAN QUEENなのだと感じる1時間半だった。

「無駄を愛したい」という言葉に続いて披露された新曲“MONOPOLY”は、裏拍のリズムが気持ちいいCLAN QUEENど真ん中のサウンドの中、資本主義社会の光と影を大胆な展開とともに見せる新境地の曲。『NEBULA』のその先を見るのがさらに待ち遠しくなった。(畑雄介)
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