ベック、多重円形ステージを駆使した特別ライヴでボウイの"サウンド・アンド・ヴィジョン"をカヴァー

ベック、多重円形ステージを駆使した特別ライヴでボウイの"サウンド・アンド・ヴィジョン"をカヴァー

今年中に新作をリリースするのではないかと伝えられるベックだが、2月5日にロサンジェルスで行ったライヴでデヴィッド・ボウイの"サウンド・アンド・ヴィジョン"のカヴァーを披露したとか。

ライヴは20世紀フォックスの撮影スタジオに用意された特設ステージで行われたが、中心の円形ステージにベックとバンドが陣取り、それを囲む環状の床には招待客のみによる280名の観客が床に用意されたクッションの上に座り、それをさらに囲む環状のステージには157名からなるオーケストラが取り囲み、このステージがそれぞれに互い違いの方向でゆっくり回転する状態でパフォーマンスが行われたと『ローリング・ストーン』誌が伝えている。

今回のライヴと特に"サウンド・アンド・ヴィジョン"のカヴァーについては、アメリカを代表する高級車ブランドのひとつ、リンカーンの「Hello Again」キャンペーンの一環として行われたもので、ライヴも360度カメラなどを使って撮影され、映像は2月10日からリンカーンのオフィシャル・サイトで公開されるという。オーケストラのアレンジを手がけ指揮したのはベックの父親としても知られる名アレンジャーのデイヴィッド・キャンベルだった。

「これがぼくのバンドなんだ」とベックはバンドとオーケストラを観客に紹介し「結婚式や成人式での演奏などを承っております」と伝え、ステージが入れ違いに回転する仕組みについては「気持ち悪くなってきた人いない? クッションの下にエチケット袋があるはずだからね」と冗談を交わしたとか。

ライヴは"サウンド・アンド・ヴィジョン"も含めて約45分の内容となり、その後はクリス・ベルの"アイ・アム・ザ・コスモス"、『シー・チェンジ』からの"ペイパー・タイガー"、さらに"ホエア・イッツ・アット"、"ガール"を披露したとか。

今回のパフォーマンスについてベックは次のように語っている。

「これは理屈を越えたことをやってみる実験でもあり、機会でもあったんだ。こういう1回きりのパフォーマンスでしかありえないシナリオをどうにかして作り上げようと思ったんだよ。ツアーだったら絶対にやれないことをやってみるっていうね。バズビー・バーレル(30~40年代のハリウッドで活躍した振付師/映画監督)の映画に出て来る、大勢のミュージシャンやダンサーが交錯するイメージを思い描いてたんだよ」

ライヴの手応えについては「簡単なことじゃなかったからね」とベックは説明している。

「円形にメンバーを配置するのはあまり現実的なやり方じゃないし。全員が円陣で向き合っていることになると、音響的には悪夢に近い状況だからさ。でも、音が観客を取り囲むというアイディアと、音を空間的にいじることができるというのが面白かったんだよ。だから、楽曲の作りが結構、ばらばらになって断片化する感じになってくるんだ。つまり、そういう断片化された音ならエレクトロニック・ミュージックではいつも耳にしてるものなんだけど、今回生演奏でそれをやってみせたわけ。そういうのをライヴで本当にやれるのかなってちょっとやってみたかったんだよね」

今回のライヴの準備風景の動画はこちらから→
http://now.lincoln.com/2013/01/beck-reimagines-a-classic/

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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