ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン、ツアーから外されて「クビにされた気分だ」と語る

ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン、ツアーから外されて「クビにされた気分だ」と語る

ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンは自分を抜かした形でマイク・ラヴがザ・ビーチ・ボーイズとしてのツアーを続けることについて「クビにされた気分だ」と語っている。

ビーチ・ボーイズは9月末にロンドンのウェンブリー・アリーナでの公演を最後に50周年記念ツアーをいったん終了しているが、その後、マイクはブルース・ジョンストンとサポート・メンバーらと共にビーチ・ボーイズとしての秋のツアーに乗り出すことを発表し、ここには50周年記念ツアーに参加し、新作『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~』にも参加していたブライアン、アル・ジャーディーンとデイヴィッド・マークスの3人のオリジナル・メンバーが加わらないことを明らかにしていた。

マイクはザ・ビーチ・ボーイズというバンド名の使用権を所有していて、これまでもビーチ・ボーイズとしてツアーしてきた関係から、秋以降のツアーは自分のビーチ・ボーイズとしての活動再開を意味していて、50周年記念ツアーはあくまでも一時的なイヴェントだったと説明したが、これがファンの間でバンドからオリジナル・メンバー3人を排除するものだと大きな波紋を呼んでいた。

こうした動きに対してマイクはロサンジェルス・タイムス紙に公開書簡を掲載し、そのなかで「ぼくはブライアン・ウィルソンをザ・ビーチ・ボーイズからクビになどしていません。ぼくにはブライアン・ウィルソンをザ・ビーチ・ボーイズからクビにすることなどできません。ぼくはブライアンの雇い主ではないからです。ぼくにはそんな権限はありません。たとえあったとしても、ぼくがブライアンをザ・ビーチ・ボーイズからクビにすることなどするはずがありません。ぼくはブライアンを愛しているのです」と訴えた。

しかし、ブライアンはこれに対して同じロスアンジェルス・タイムス紙に公開書簡を投稿し、次のように反論している。

「普段だったら、こういうことに答えることなどしないのですが、今回の50周年がバンドのイメージと遺産にもたらしたものをかけがえなく思っているので、答える必要を感じました」とブライアンは説明している。

「ぼくの知っているかぎりではぼくがクビにされることはありえませんし、そんなことが起きたらちょっとかっこ悪いなと思います。それに様々なコメントが醸すネガティヴなオーラにもちょっと呆気に取られています。ただ、どうしてもわからないのはマイクがアルとデイヴィッドとぼくをバンドと一緒にツアーさせたがっていないことなのです。なんだかバンドをクビにされた気分になるのは確かです」

「アルとぼくが本当に呆れてしまうのは、ツアーを続けてくれと山のようにオファーを受けていたのに、どうしてぼくたちがツアーをやりたがらないと考えるのかということです。ぼくたちはアルバムに自分たちの気持ちをすべて注ぎ、ファンの皆さんはアルバムがビルボード初登場3位につけ、ぼくたちのライヴが売り切れるという形でそれに応えてくれました。これほどの反響にぼくたちは感動しました。『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~』のツアーが続くのであれば、アルとぼくはそれに加わりたいと思います。これまでも10年以上ぼくはそういう活動を続けてきました。つまり、レコードを制作してツアーに出て作品を支えることです。それが生業だからです」

「アルとぼくの間では全員が一緒になってこそザ・ビーチ・ボーイズはよく体現されるという意見で一致しています。マイクの公開書簡のなかでマイクがぼくについていろいろ褒めてくれていることには感謝しますし、マイクのことはいつまでも従兄弟としてまたバンド仲間として愛していきますが、それでもどうしてこの素晴らしい旅を一緒に続けたがらずにぼくが置いていかれているのかがぼくにはやはりわかりません。アルとぼくはこの音楽に対して義務があるからツアーを続けたいと思っているのです」

(c) NME.COM / IPC Media 2012
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