2月8日に新作『キス・オン・ザ・ボトム』をリリースしたポール・マッカートニーは、ビートルズのメンバーがまだ全員健在だった頃に再結成の話も持ち上がっていたが、ビートルズの遺した名声を考えて断念していたと明かしている。
ポールは再結成の話は何度か持ち上がっていたが、その話し合いの内容はどれも「確信には至らなかった」とローリング・ストーン誌に語っている。
「何度かザ・ビートルズ再結成の話はあったんだけど、ちゃんと話が固まらなかったし、その思いつきにやるだけの気持ちも入ってなかったんだね。それ以上に重要だったのは、それでビートルズっていうもの自体がふいにされる危険もあったっていうことなんだよ。あまりにもひどいものになって、『なんてこった、あいつらって実はド下手じゃないか』ってことにならないようにね」
さらに、そうした話し合いではポールもほかの3人もやるべきなんだというところまで納得もいってなかったとポールは説明していて「再結成の提案はやる気になるだけの説得力に欠けてたんだよね」と語っている。
「そういう話が持ち上がると悪い気はしないんだけどさ、『うん、楽しいかもしれないね』ってね。でも、誰かしらやっぱり乗り気になれなかったりするんだよ。で、そうなると、もうそこまでっていう。っていうのもぼくたちは究極の民主制でものごとを決めてたから」
『キス・オン・ザ・ボトム』はポールが幼少時代に聴き親しんでいたスタンダード曲のカヴァーで構成されていて、ほかにポールの新曲“マイ・ヴァレンタイン”“オンリー・アワ・ハーツ”も収録されている。プロデューサーにはトニー・リピューマを迎えていて、レコーディングはジャズ・ピアニストのダイアナ・クラールとダイアナのバンドとで行われ、さらにはエリック・クラプトンやスティーヴィー・ワンダーらも客演している。
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